県は5日、琵琶湖固有種のセタシジミから基準値の2倍の残留農薬「チオベンカルブ」を検出したと発表した。人体への影響はない微量だが、県は、基準値を超えた2水域でのシジミ漁の自粛を漁業者に要請。今後、定期的にモニタリング(監視)を行う。
チオベンカルブは畑や水田で使う除草剤。残留農薬基準の設定がない農薬が一定量を超えて残留する食品の流通を禁じる「ポジティブリスト制度」が5月に施行され、魚貝類の一律基準値が0・01ppmと定められた。県はセタシジミの主な漁場5カ所で検査。米原市沖と高島市沖の水域で0・02ppmを検知した。湖北町沖では検出されず、沖島南と瀬田川では0・01ppm。アユとニゴロブナも各2カ所で調べたが検出されなかった。
県は、今回のシジミ入りのみそ汁1杯分に含まれる量が1日の許容摂取量の1000分の1以下で健康への影響はないとしており、一律基準値でない魚貝類の基準値設定を国に要請する意向。チオベンカルブを来年の使用時期には使わないことで全農県本部と合意する見通しだという。【服部正法】 12月6日朝刊 (毎日新聞)