2006年07月27日

大沢池のハス、17年ぶり復活 大覚寺 ソウギョの適正数捕獲で

 観月の名所として知られる京都市右京区の大覚寺境内にある大沢池で、約17年ぶりにハスが復活し、関係者を驚かせている。水草の繁殖を防ぐために放ったソウギョに食べ尽くされたが、宗門校の京都嵯峨芸術大(同区)を中心に5年前から取り組む自然再生プロジェクト「草魚バスターズ」の適正な捕獲などが功を奏した。ピンク色の花が参拝客を迎えている。

 大沢池では、秋の「観月の夕べ」の際、水草を刈る労働力や費用の問題を解決するため、過度の繁殖を抑えようと、1988年に外来種のソウギョ約1000匹を入れた。ところが、ソウギョは予想以上の食欲で、1年ほどでハスは完全に姿を消した。さらに、岸辺の樹木にまで害が及び、水質も悪化した。
 池を元の姿に戻すため、同寺の依頼を受けた同芸大の真板昭夫教授(エコツーリズム論)が2001年、専門家や学生らに呼びかけ、バスターズを結成した。ソウギョの生態を見極めたうえで適正数を捕獲し、03年からは景観修復に向け、ハスの植え付けなどの作業に取り組んでいる。
 今回、久々に出現したハスは、池の北に浮かぶ「天神島」の東側に固まって咲くピンク色の約40本。植え付けをしたハスとは色も生育場所も違い、真板教授は「これまでソウギョに食べられていた埋土種が育つ環境になり、発芽して大きくなった」と見ている。
 大覚寺の坂口博翁執行長(63)は「我々の知恵のつもりでやったことが違う方向に出てしまったが、自然のバランスを戻すことで、大沢池のハスがよみがえり、大変うれしい」と喜んでいる。

+Yahoo!ニュース-京都-京都新聞

Posted by jun at 2006年07月27日 02:06 in 自然環境関連

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