2006年04月17日

アユ被害防止、カワウの卵にせっけん水…繁殖抑制へ

 鵜飼(うか)いで有名な長良川を中心にカワウによるアユなどの食害が深刻化していることから、岐阜県がカワウの数を減らすため、卵にせっけん水をかけて孵化(ふか)を抑える繁殖抑制法を採用し、来年の繁殖期から実施することが16日、わかった。

 県の調査では、カワウの食害は長良川、木曽川、揖斐川で年間数億円に上り、特に名産のアユの被害が多い。流域漁協などが有害鳥獣駆除の許可を得て、年数百羽を捕獲しているが効果は上がっていない。

 今回採用する抑制法は「オイリング」と呼ばれ、卵にせっけん水をかけて表面に皮膜を作り、卵内のひなの呼吸を妨げ、孵化率を抑える。天然せっけんを2倍程度に薄めて使うため、周辺環境や成鳥には影響を及ぼさないという。

 同県内でカワウが産卵するのは、輪之内町の鳥獣保護区にある繁殖地にほぼ限られている。県が今年1月にこの繁殖地で3回、試験的にせっけん水を散布したところ、通常3割を超える孵化率が約16%まで低下した。この結果を受け、県では来年1月の繁殖期から、本格的にせっけん水を散布する方針を決めた。

 カワウの生態に詳しい佐藤孝二・名古屋大名誉教授(畜産学)の話「環境への影響は少ない方法だと思う。しかし、卵の孵化を抑えることでどれだけ効果があるのか、また、カワウの生息数を極端に減らさないか、検証することが重要だ」
(読売新聞)

+Yahoo!ニュース- 社会-読売新聞

Posted by DODGE at 2006年04月17日 11:11 in 魚&水棲生物, 自然環境関連, 内水面行政関連

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