2006年03月08日

シンポジウム:知床の生態系保全と漁業との共存考える−−函館で/北海道

 世界自然遺産に登録された知床の生態系の保全と漁業との共存をテーマにした「北洋研究シンポジウム」(北海道大水産科学研究院と水産海洋学会主催)が、函館市の北大水産学部で開かれた。

 シンポジウムは知床世界自然遺産科学委員会の海域ワーキンググループ座長で同研究院の桜井泰憲教授らが呼びかけ実現した。
 道立釧路水試の石田良太郎研究職員は知床半島と国後島に挟まれた根室海峡でのスケトウダラ漁獲について「魚群探知機の調査の結果、漁場は5時間で行ったり来たりしており、日露中間ラインを越えていると推測できる」と指摘した。90年代初めに漁獲量が激減したのは「80年代後半からの日露の漁船による大量漁獲と、流氷の減少で海面温度が上昇した環境変動が影響した可能性がある。持続的漁業のためにはどちらの要因がどの程度影響を与えるのかを評価する必要がある」と語った。
 北大大学院の帰山雅秀教授(海洋生物資源)はサケを軸にした陸と海との生態系の相互作用について、「川を遡上(そじょう)して産卵を終わったサケをワシ類やヒグマが食料としている。サケを食べるヒグマはサケを食べない内陸のヒグマと比べて体が大きく、出産数も多い。海の栄養を陸へ運ぶ物質循環の役割は大きい」と説明した。【安味伸一】3月8日朝刊

+Yahoo!ニュース-北海道-毎日新聞

Posted by jun at 2006年03月08日 17:15 in 自然環境関連

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