2006年02月24日

バスフィッシングの祭典、バスマスター・クラシック2006がランチング

06c_stage2.jpg BASS CITGOバスマスター・クラシック2006がフロリダ州レイク・トホを舞台に2月24-26日の日程で開催される。1971年にネバダ州レイク・ミードでクラシックが産声を上げて今回で36年め。初の2月開催を迎える。クラシックは夏の風物詩的なイメージもあったが、夏以外の時期に開催されたことは少なくない。しかし、今回はビッグウエイトが期待される2月開催だ。しかも開催地がレイク・トホとなれば、さらにビッグウエイトへの期待も高まる。クラシックにおける最大ウイニング・ウエイトは1984年アーカンソー・リバー大会の75Lb9oz(リック・クラン)だが、これはBASSがまだ7フィッシュ・リミットを用いていたころの記録である。5フィッシュ・リミット採用後の最大ウイニング・ウエイトは1999年ルイジアナ・デルタ大会の55Lb10oz(デイビー・ハイト)である。2006年大会は、少なくとも1999年大会の記録を塗り替えるだろうと予測されている。アングラーは歴史的快挙を成し遂げられるのか!?

 レイク・トホでバスマスター・クラシックが開催されるのも初めてではない。BASSはクラシック初年度から6年間、出場アングラーやメディアに一切開催地を公表せず、ミステリーレイク方式で開催していたが、1977年から事前に開催地を公にして開催している。その歴史的一戦がトホで行なわれた。ウイナーはリック・クランである。
 クランといえば、2005年大会久々にクラシックの舞台へと返り咲いたが、2006年大会にも出場する。今回で25回めの出場となる。
 
 さて、冒頭でウイニングウエイト更新の可能性に触れたので、もう少し詳しくそれについて記しておこう。06c_rojas2.jpg
 レイク・トホといえば、忘れてはならない奇跡的な一戦がある。2001年1月に開催されたバスマスターツアーの舞台でディーン・ロハスがマークした、5尾で45Lb2ozの超ビッグウエイトである。ロハスはこの大会(4日間)でトータル108Lb12ozを釣りあげ、この記録は現在でもオータイム・トップウエイトの牙城を死守している。今回のクラシックでこの記録を破るのはほぼ奇跡に等しいが、可能性がないわけではない。少なくとも1日平均20Lbを超えるウエイトを持ち帰れば、1999年にマークされた5フィッシュ・リミットでのクラシック最高ウエイトを破る計算になる。フロリダにおけるスポーニングは早く、いわゆる第一陣の産卵は終わっているが、一方でポストスポーンから回復したビッグフィッシュがアグレッシブにバイトしはじめるシーズンでもある。ここ数年間続いてローウエイトな優勝劇は今大会には無縁だろう。
 ちなみに昨年の優勝ウエイトは12Lb15ozで、これは歴代クラシック・ウイニングウエイト最下位である。トホであれば、1尾でこのウエイトを超えられる可能性さえ秘めている。06c_kvd2.jpg
 クラシック開催中にウエイインされたシングルバスの最大ウエイトは8Lb9oz(リッキー・グリーン、1976年)。トホであれば、この記録も塗り替えられるかもしれない。

 2006年大会はバスフィッシング界以外からも注目されているわけだが、その最大の理由は50万ドルという賞金にある。1971年第1回大会の優勝賞金は1万850ドル。36年で46倍にも膨れ上がった。また昨年の優勝賞金は25万ドルだっただけに、この時点ですでに2倍である。

06c_rc2.jpg 今大会には過去にトホで開催されたBASS大会で優勝した3名の選手がクオリファイされている。リック・クラン、ティム・ホートン、ディーン・ロハスである。クランは前述したようにクラシック1977年大会を制覇した。ホートンは彼が若手No.1と謳われAOYを獲得したその年(2000年)に優勝している。ロハスは先に記した記録的ウエイトを出した2001年にトホ戦の頂点に立っている。

 ちなみに、2006年大会には過去のクラシックウイナーが数名出場する。リック・クラン、ジョージ・コクラン、デイビー・ハイト、マイケル・アイコネリ、ジェイ・イエラス、ケビン・バンダム、ラリー・ニクソンの7名だ。今大会には51名が出場しているため、その1割強がクラシック優勝者であるのがわかる。

 またアーロン・マーテンスにとって今回は、雪辱を挽回するに相応しい一戦だとも考えられる。彼は過去4年間に3度クラシックに出場しているが、3度とも2位でフィニッシュしている。仮にマーテンスが今大会で優勝した場合、クラシック歴代ウイニングウエイトを更新する可能性も秘めているわけで、彼にとってはこの上ないリベンジの舞台であると思われる。
 そしてゲーリー・クラインもクラシックに限って言えば、無冠の帝王的存在の代表格である。彼は今回で24回めのクオリファイを果たしたが、まだ1度も優勝経験がない。

06c_yelas2.jpg BASS/ESPN側から見て“一番優勝してほしくない選手”は、ジェイ・イエラスではなかろうか。彼は昨年BASSに対し悲観的な文書を某ウェブサイトに掲載、BASSから決別し、FLWへ移籍すると発表した。FLWはイエラスを含めた数名と協議し、新ツアーレベルトレイルのWal-Mart FLWシリーズを旗揚げした。イエラスは来季以降FLW に専念。BASSでのパフォーマンスは、このクラシック2006年大会をもって当分ないと思われる。すでに決別を言い渡したイエラスがBASS頂上決戦の場に出場する。「BASSが嫌いなら、なぜクラシック出場を辞退しないのか」と思えてならない。彼が優勝することでクラシックはハッピーエンドを迎えられるのか。イエラスの優勝も見てみたいものである。
 またイエラスだけが来季BASS離脱を仄めかしたわけではない。今大会に出場するジョージ・コクラン、ラリー・ニクソン、ロン・シャフィールド、ステイシー・キングもFLW系大会に専念すると発表している。
 コクランはFLW Tourチャンピオンシップ2005で優勝し、賞金50万ドルを手中にしたばかりである。クラシック2006も優勝すれば、なんと半年間で100万ドルを優勝賞金だけで稼ぐことになり、これもバスフィッシング史上初の快挙となる。

 というわけで、クラシック2006はここ数年稀にみる注目度の高い一戦になるだろう。

+Bassmaster.com

Posted by DODGE at 2006年02月24日 23:15 in 海外トーナメント:BASS

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