「スパルティナ・アングリカ」という名の、非常に危険な外来生物が国内で初めて愛知県内で確認されました。「スパルティナ・アングリカ」は植物ですが、名前からして恐ろしい雰囲気。一体どれほど危険なのでしょうか。取材しました。
取材班は、「スパルティナ・アングリカ」が発見されたという、愛知県碧南市へ向かいました。今回、スパルティナ・アングリカについて案内してくれるのは、この植物に詳しい愛知教育大学の芹沢俊介名誉教授。
「日本で初めて見つかったものなんですけど、干潟がみんな陸になってしまうのではないかと心配しています」(愛知教育大学 芹沢俊介 名誉教授)
この植物は、渡り鳥などが訪れる干潟すべてを陸にしてしまうかもしれない危険があるといいます。
「ここの水際一面に生えている、たくさん茂っているこれがそうです」(愛知教育大学 芹沢俊介 名誉教授)
細長く茶色っぽい植物が、スパルティナ・アングリカ。生態系などに被害を及ぼす恐れがある“特定外来生物”です。去年12月、日本で初めて愛知県碧南市で発見された植物ですが、一体どのような特徴があるのでしょうか。
「塩水につかったところに非常に生える。こんなに塩に強い、海水に強い植物はない」(愛知教育大学 芹沢俊介 名誉教授)
スパルティナ・アングリカは、イギリスで自生していたイネ科の植物の雑種を起源とした植物。海水に強く、繁殖力が非常に強いといい、ヨーロッパを中心に広がったそうです。
「植物が生えますと、ごみが引っかかってたまります。陸化が進んでしまう。陸化が進むと(この植物が)さらに沖に出る」(愛知教育大学 芹沢俊介 名誉教授)
熊本県では、別のスパルティナ属の植物によって、干潟に陸が作られてしまったケースもあるといいます。さらに、生態系にも影響を及ぼす可能性も。
「本来日本の干潟は何も植物が生えていなくて、カニや貝がいて、それを鳥が食べる、渡り鳥の良い中継地。こうなるとこれでは、鳥が(エサを)食べられませんよね」(愛知教育大学 芹沢俊介 名誉教授)
通常の干潟であれば、渡り鳥がエサをとることができますが、植物が生えてしまうとエサをとれなかったり、生き物の生態系も変わってしまう恐れがあるといいます。
去年12月に発見されたばかりで、まだわからないことが多いスパルティナ・アングリカ。碧南市に侵入してしまった理由すらまだ分からないにもかかわらず、すでに約200メートルにわたり点在してしまっているといいます。
「持ち上げれば、ある程度抜けやすい。人間も掘りやすいが、自然の力でも取れてしまう可能性がある。流れていって、矢作川の干潟にたどり着いたら大変なことになる」(愛知教育大学 芹沢俊介 名誉教授)
8年前、豊橋市で見つかったスパルティナ・アングリカと同じスパルティナ属の「スパルティナ・アルテルニフロラ」は約1万平方メートルに広がり、隣り合う市の田原市や、湾を挟んで隣り合う市・半田市にまで繁殖。愛知県によると、根絶には6年もの歳月がかかり約1億円の費用がかかったといいます。
碧南市で見つかったこの植物。なにか有効な対策法はあるのでしょうか。
「駆除はとりあえず掘ってみようと。壊滅というのは1年ではできません、必ず堀り残しがでます。3年たてば、ある程度めどが立つ」(愛知教育大学 芹沢俊介 名誉教授)
除草剤をまいて駆除する方法もありますが、漁業への影響も心配されるため、4月から掘り起こしでの駆除を開始するということです。
Posted by jun at 2019年03月15日 09:46 in 外来生物問題