人の暮らしにとって厄介者の外来生物といえばアライグマが有名だが、近年、京都市内ではハクビシンの被害が増大している。収穫直前の果物を食べたり、電線を伝って建物内に進入してふん尿で天井を腐らせるなどの被害をもたらす。専門家は「見掛けたら通報して」と呼び掛けている。
京都市北区上賀茂。ドラッグストアや飲食店も並ぶ住宅街で4月下旬、ハクビシン2頭が相次いで捕獲された。
自宅の庭先に設置したわなにハクビシンがかかったことを、瀧本正史さん(77)は驚きを持って受け止める。「アライグマはこれまでもいたけど、ハクビシンは初めて。以前にもっと大きいのを見たから、まだいると思う」。瀧本さん宅近くの農業森田良彦さん(70)は今春、ハクビシンとみられる農作物の被害に苦しんだ。何者かが初物のイチゴ、しかも一番熟した部分だけを食べていく。「今年は収穫が遅れて数量も少なかったのに。悔しかった」。わなを設置した翌日、かかっていたのは、初めて見るハクビシンだった。
関西野生生物研究所(京都市東山区)によると、調査を始めた2005年に比べ、被害は増えている。17年度の市内(右京区京北地域を除く)の捕獲数は63頭で、アライグマの53頭を上回った。出没は左京区で目立つものの市全域に広がる。寺や神社の近くでも多数捕獲されており、文化財被害も懸念される。
ハクビシンはアライグマと違って輸入や飼育を禁止する「特定外来生物」に指定されていないため、捕獲しても山に逃がすよう行政は指導せざるを得ない。また、建物に侵入する際に爪痕を残すアライグマに比べ、ハクビシンは電線や木を伝うことが多いため痕跡もたどりにくい。「このままでは被害が増えるばかりだ」と同研究所の川道美枝子さんは警鐘を鳴らす。
ハクビシンを減らすにはアライグマ対策と同様、積極的な捕獲が重要となる。川道さんは「見掛けたら京都市へ通報してほしい」と呼び掛けている。
Posted by jun at 2018年05月27日 11:36 in 外来生物問題