「大阪城」のお堀では、転落する危険やゴミの放置問題、釣り竿を振り回すことで他の公園利用者へ迷惑になることなどから、釣りが全面禁止です。大阪市の公園条例ではそれに違反すると過料5万円が課されます。禁止を伝える立て看板や巡回監視で注意を促していますが、釣り人は一向に減る気配はありません。なぜ禁止地域で釣りを続けるのか?なぜ釣り人が増え続けるのか?取材班が釣り人を直撃しました。返ってきた答えとは…?
禁止のはずなのに…
9月29日金曜日午前4時、取材初日。場所は大阪城の内堀の東側です。取材を始めて1時間。
「朝の5時すぎです。内堀に釣り竿を持った男性2人がやってきました。橋の上ではさらにもう2人、釣りをしている男性がいます」(記者)
やってきたのは20代から30代と思われる男性4人組。慣れた様子で釣り竿を振っています。さらに見ていると…
「男性が柵の内側に入って釣りをしています。とても危ないです」(記者)
取材班、釣りをしている男性に話を聞いてみることにしました。
Q.釣れます?ここって
「きょう、ぼちぼち釣れますよ」(釣り人)
Q.何がいるんですか?
「ブラックバスです」
柵を越えて釣りをしていることに罪悪感はないのか?聞いてみると…
Q.柵の中危なくないですか?
「いけますよ」(釣り人)
Q.落ちたりしないですか?
「この前、誰か落ちてましたけどね」
Q.注意はされます?
「めっちゃされます」
Q.注意されたらどうするんですか?
「帰ります」
大阪市公園条例では公園内の動物を無断で捕まえると最大で5万円の過料が課せられます。大阪城周辺の公園を管理している前田久和さんはこう話します。
「(注意したのは)前年度で1900人くらい。今年は4月〜7月で550人くらい。やったらその後、そのままほったらかしで、他の方に迷惑をかける」(大阪城パークセンター 前田久和さん)
堀に落ちる危険があるのはもちろんのこと、釣り糸を投げ入れる時などに公園を利用しているほかの人にけがをさせる恐れがあるため釣りは禁止されています。
「危ないよ。(釣り竿を)振り回すから」(利用者)
「ハトとかてんぐす(釣り糸)に引っかかって、(木から)ぶらさがったりしてるの多いよ」
Q.釣り人は柵を越えている?
「そうそう。落ちんのちゃうかなと思うけどね」
「好きな人は何度注意されてもやりますのでね」
SNSで釣り情報拡散
禁止されていても釣り人が後を絶たないのにはワケがありました。
2017年5月の映像で確認できた魚はブルーギル、それ以外にブラックバスやライギョもいるそうで、予想以上の魚が生息していました。さらにもう一つ釣り人が集まる理由が…
「釣りをしている人が(SNSに)アップして、『ここでは釣れる』とか、それでいろいろ広まって」(前田久和さん)
近年では、釣った魚の写真をSNSにアップする人も現れ、それを見て更に釣り人も増えるのだといいます。
釣り行為が増えた影響はこんな所にも出ていました。
「木の枝に釣り糸が引っかかっています。先には約5センチほどの釣り針がついています」
取材班が確認したところ、外堀の半周約1.4キロの間に8か所で木に釣り糸が引っかかったままになっていました。さらに釣り用のエサとなる「きびなご」や釣り具のゴミが散乱していました。
少年2人に直撃
大阪城パークセンターでは昼夜を問わず警備員が巡回して警戒しています。
「9月30日土曜日、朝の5時50分です。釣り竿を持った少年2人がやって来ました」(記者)
監視の隙をかいくぐって、中学生と思われる少年2人が現れました。
「柵を乗り越えて内側に入ろうとしています」(記者)
危険を顧みず柵を越える2人、何食わぬ顔で釣りを始めました。初めて来たようには到底見えません。少しずつ立ち位置を変えながら竿の先に集中しています。
「通行人も増えてきました」(記者)
そんなことも気に掛けず釣りを続ける2人。どうやら、一人が魚を釣ったようです。すぐに大きさを測りますが、納得がいかなかったのか再び堀にかえしました。果たして彼らは釣りが禁止されている行為だと知っているのでしょうか。取材班、少年たちを直撃しました。
Q.釣りしてました?
「はい」(少年)
Q.釣りが禁止なのは知っている?
「はい」
Q.なぜ釣りを?
「釣れるからです」
Q.何を釣ってた?
「ブラックバスです」
Q.禁止と知りながらなぜ釣りを?
「情報で広まって。ネットとかでみんな」
Q.ダメだと思わない?
「ダメやけど、まぁ…て感じ。もういいっすか」
Q.この後は?
「淀川かどっか行きます」
少年たちは自転車で走り去っていきました。
開き直る釣り人
この日の夕方、取材班が訪れたのは西外堀。内堀より石垣が高くより危険な場所です。取材を始めて10分で釣り人が現れました。
「男性が柵の内側で釣りをしています。堀はかなりの高さがあります」(記者)
水面まで約6メートル。それでも平然と釣りをする男性。隣ではなんと、午前中に話しかけた少年2人も懲りずに釣りをしていました。柵の中を歩く男性、警察官に声をかけられますが悪びれる様子はありません。
Q.釣りしてました?
「はい」(男性)
Q.禁止されているのは知っている?
「知ってます知ってます」
Q.どうして禁止の釣りを?
「どうして?ガキの頃からやってますからね。20年くらい」
さらに話を聞いていくと、市の条例は全く歯止めになっていないようです。
Q.最大5万円の過料だが?
「知ってますもちろん。(今まで支払ったことがなく)どうなったら5万円かかるのかよくわからないですし、(警備員に)しゃべりかけられるのもうっとうしいし、注意されるのもうっとうしいし」
最後に男性はこう開き直りました。
「釣りする以上はある意味、リスクを負って趣味を楽しんでるから。溺れて死ぬんやったらそれは自業自得やからしゃあない。何で大阪城やねんって言われたら、近いし子どものときからやってたから。そこに魚がいるからと言うしか言いようがないです」
釣り人に反省の色が見られないことに、前田さんも頭を抱えています。
「根気比べじゃないですけど、こちらも注意喚起、プラス発見したら言っていく。結局また他から回って入ってくるとか実態としてはあるんですけど、それは繰り返し言うしかないのかなと」(大阪城パークセンター 前田久和さん)
Posted by jun at 2017年11月08日 13:50 in その他のニュース, 内水面行政関連