2017年07月07日

小さな生き物、触るとキュン 専門店やカフェ大人気

 ハリネズミやフクロモモンガ、カワウソなど、従来は見るのが主だった小動物が身近になっている。ハリネズミは会員制交流サイト(SNS)などに愛らしい写真や動画が多数投稿され、ペットとしての人気が急上昇中で、神戸市北区には専門の販売店が開業した。大阪ではハリネズミやフクロモモンガに、神戸・三宮にはカワウソにそれぞれ触れられる店も登場し、週末は満員になる盛況ぶりだ。(吉田敦史)

 人の手の上で淡いピンク色のおなかを見せたり、だるまのように丸くなって鎮座したり。SNSの一種で写真が共有できる「インスタグラム」に投稿されているハリネズミの様子だ。「♯(ハッシュタグ)ハリネズミ」で検索すると、約42万件の投稿が表示され、「♯ハムスター」の約76万件には及ばないものの、他に人気のペット「♯ウサギ」や「♯セキセイインコ」の約37万件を上回る。

 神戸市北区上津台の古謝(こしゃ)麻里さん(39)は、飼育熱が高じて昨年8月末、自宅で販売店「ハリネズミの隠れ家」を始めた。飼い始めはイガグリのように毛を逆立てていたハリネズミが、徐々に慣れて手の上で眠るようになった経験から「幸せな気持ちにさせてくれる。この魅力を多くの人に伝えたい」と考えた。

 昨秋以降、SNSやテレビでハリネズミが話題になるたびに問い合わせが増え、ウェブサイトに仕入れや自家繁殖の情報を載せるとすぐに買い手がつく。趣味の延長で始めたつもりが、これまで個人客を相手に80匹以上を販売した。

 飼うかどうかの前に、まずは触れてみたいという希望に応える店も。大阪市淀川区田川北2のペット販売店「あにまる本舗」は昨夏、兵庫県尼崎市内から移転し、ハリネズミなどと触れ合える店を開いた。1時間1500円(土日祝は2千円)。当初、月間100組前後だった体験客は昨年末ごろから増え始め、今年3月以降は200組超えが続く。

 同店でハリネズミとともに人気があるのがフクロモモンガだ。担当するブリーダー伊島信也さん(36)は「懐かないハリネズミがネコ派に好まれるのに対し、フクロモモンガは懐くのでイヌ派向き」と説明。訪れた音楽家の女性(24)=神戸市東灘区=と音楽講師の女性(25)=同市西区=は「どちらも非日常の動物で、わくわくした」「まさに未知との遭遇」と喜んだ。

 神戸市中央区中山手通1には昨年末、コツメカワウソに餌をやるなどして触れ合える喫茶店「北野坂か和うそカフェ」が開業。外国人観光客も多く、休日には3〜4時間待ちになることもあるという。よく水族館へカワウソを見に行くという公務員の女性(24)=大阪府東大阪市=は「ずっと触ってみたかったので感動です」と話していた。

■飼うなら死ぬまで

 愛らしいイメージが広がっているハリネズミ。だが、あまり鳴かず、夜行性のため昼間に働きに出る人でも飼いやすい半面、飼い主に慣れなければいつまでも針のような硬い毛を逆立てることもある。神奈川県小田原市や静岡県伊東市では、元はペットだったハリネズミが野生化し、問題になっている。

 ヤマザキ学園大(東京)の安藤元一教授(67)=哺乳類学=によると、小田原市では1987年に、伊東市では95年にそれぞれ初めて野生のアムールハリネズミが見つかった。特に伊東市で分布が広がり、2003年に25平方キロ、09年には62平方キロで確認された。12年には約70人の学生らが2時間で41匹を捕獲した。

 06年には環境省がアムールハリネズミなどハリネズミ属の全4種を特定外来生物に指定したが、安藤教授は「外来生物法は被害がなければ無力だ」と言い切る。「早期の発見と対策が外来種対策の大原則だが、日本の行政は農作物などへの被害がなければ動かない」と指摘。安藤教授の調査に協力したNPO法人静岡県自然史博物館ネットワークの三宅隆副理事長(71)は「影響や被害は小さくても、日本にいてはいけない動物。飼うなら死ぬまで、を徹底するしかない」と話す。

 現在、日本で販売、飼育されているのはアフリカハリネズミ属のヨツユビハリネズミ。飼い主が無責任に野に放てば、ハリネズミ属と同じ道をたどる可能性も懸念される。

+Yahoo!ニュース-近畿-神戸新聞NEXT

Posted by jun at 2017年07月07日 08:59 in 外来生物問題

mark-aa.jpg