東京港の大井埠頭(ふとう)で強い毒を持つ特定外来生物のヒアリが見つかったコンテナが県内で荷降ろしされていた問題で、県は7日、千葉港のコンテナターミナルに殺虫剤入りの餌を設置するなど対応に追われた。コンテナを運んだ貨物船が大井埠頭を出港後、千葉港にも一時寄港していたことなどに伴う措置。ヒアリの毒性はどの程度強いのか、どの程度まで危険は迫っているのか。漠然とした不安が広がる中、県は情報収集を進めるとともに、警戒を促すホームページ(HP)を開設し、県民へ注意を呼びかけている。
◆高まる警戒感
県や環境省によると、ヒアリは5月下旬、神戸港で陸揚げされ兵庫県尼崎市に運ばれたコンテナから見つかったのを皮切りに、神戸港や名古屋港、大阪港で相次いで確認。中国・広州市の南沙港を出航した貨物船で運ばれたコンテナなどから見つかり、大阪港と尼崎市では女王アリも確認された。千葉港にある千葉中央埠頭のコンテナターミナルでは5月15日以降、南沙港からのコンテナ船の寄港はないという。
だが、今月6日にヒアリが確認されたコンテナは、中国・仏山市の三山港から貨物船で搬送され、香港で積み替えられてから大井埠頭に陸揚げされたものだった。千葉港では香港を経由するコンテナ船が定期的に寄港していることから、県内での警戒感が一気に高まった。
コンテナを降ろした貨物船は大井を出港後、千葉や名古屋などに寄港して台湾に戻ったという。県港湾課によると、この貨物船は千葉港でも6月29日にコンテナを約100個陸揚げしていたという。陸揚げしたコンテナの搬送経路の調査は困難としている。
一方、国土交通省は、中国からの定期コンテナ航路がある港湾に対し、ベイト剤(殺虫餌)を設置するよう要請。これを受けて県は7日午後、千葉中央埠頭コンテナターミナルに約200個置いた。県自然保護課では一連の事態を受け、県独自でヒアリ対策のHPを開設。「発見したら関東地方環境事務所などに連絡を」と呼びかけている。
◆JAは悪影響懸念
県によれば、ヒアリが見つかったコンテナは君津市に運び込まれ、ソーラーパネルの部品などが入っていたという。先月30日に大井埠頭から君津市に搬出され、民間業者が積み荷を取り出していた。環境省は今後、現地調査などをする方針だが、荷降ろし先などについては「風評被害の恐れなどがあるため公表はしない」としている。
ヒアリは人体に有害な毒を持つほか、農作物を食い荒らすなどして農業に悪影響をもたらす可能性もある。JAきみつの農業振興課は「状況はまだ分からないが、畑を食い荒らされたり、作業中の農家が刺されたりしたら困る」と不安をのぞかせた。同市環境衛生課は「県や環境省と提携した上で、指導があり次第対策を講じる」と話している。
Posted by jun at 2017年07月11日 10:48 in 外来生物問題