三重県伊賀市予野地区で外来植物「ナヨクサフジ」が大繁殖している。環境団体が7年前に初確認して以降、ここ2年の間に繁殖面積が急に拡大。「外来植物は生命力が強く、更に範囲が広がる恐れがある」と、生態系への影響を危惧する声も上がっている。【広瀬晃子】
ナヨクサフジは、マメ科ソラマメ属でヨーロッパ原産。高さは1.5〜2メートルで、形状は在来種のカラスノエンドウに似ている。専門家によると、国内で初めて確認されたのは1941年ごろ。根の部分に栄養成分を含んでいるため、農家などで肥料代わりに植えられている場合がある。
農水省と環境省が定める「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」の中では「産業管理外来種」に分類。肥料として使用可能だが、増殖を防ぐなどの管理が必要な植物として紹介されている。
繁殖しているのは、同地区内の市道(伊賀コリドールロード)周辺。見つけたのは地元の環境団体「伊賀自然の会」の会員で元教諭の近藤善子さん(64)=同市桔梗が丘5。発見時は数本だったが、2年ほど前から急増したため驚いたという。近藤さんは「(周辺の)リンドウやオミナエシといった在来植物が減少しているのでは」と心配する。
大阪府内のナヨクサフジを調査中の大阪市立自然史博物館学芸員、長谷川匡弘さんは「花粉を運ぶハチが多い場所は(ナヨクサフジの)果実が多くできる。伊賀の場合、その条件が合致したのではないか」と指摘する。最初に根付いた原因は不明だが、園芸用の土などに外来種の種が混入する事例は多い。ナヨクサフジは細長い花なので、口が長いハチ類が多いなどの生育環境が整えば繁殖してしまうという。
長谷川さんは「つる性植物のため、周辺の植物を覆ってしまって育たなくなる危険性もあり、(実がなる前の)花の時期に根から抜いてほしい」と話す。
繁殖地近くの市民農園を利用する70代の男性は「紫色の奇麗な花だと思っていたが、外来種とは知らなかった。知人にも、見つけたら注意するように伝えたい」と話していた。
Posted by jun at 2017年06月14日 12:28 in 外来生物問題