2017年03月29日

「外来生物」だらけの展示会 ザリガニシューマイの味は…?

外来生物ばかりを集めた展示会が栃木県の水族館で開催されている。外来生物とは本来日本におらず、人の手で持ち込まれた生物のことだ。渡り鳥や海流で移動する魚など、自然の力で移動するものは含めない。

 アメリカザリガニや、巨大肉食魚アリゲーターガーなど、さまざまな外来生物を集めた企画展を行なっているのは、栃木県大田原市の「栃木県なかがわ水遊園」だ。すぐ裏に那珂川が流れているという立地から、淡水魚に特化した珍しい水族館で、内陸部ならではの展示内容となっている。そしてその一角で行われているのが、「突撃!隣の外来種」だ。水辺や水中に住む外来生物だけにスポットを当てた珍しいイベントだ。「外来生物」とは一体何なのか、またどのような影響や被害があるのかを知ってもらうための企画展であるという。

 展示担当の目野透さんが「噛む力も非常に強いので、ある意味危険動物のような扱いの生き物」と紹介してくれたのが、アメリカ大陸原産でペットとして持ち込まれたカミツキガメ。脱走したり捨てられたりして、野生化したものが多いのだという。他にも、もともと食用として持ち込まれ、水辺に定着してしまったウシガエル、同じく食用として持ち込まれたチャネルキャットフィッシュなど、23種類の外来生物が展示されている。これらは従来いた生物や植物を食い荒らし、生態系に影響を及ぼすため「特定外来生物」に指定され、規制の対象になっている。

■開催は「ウチダザリガニの初確認がきっかけ」

 この企画展を開催したきっかけとなった生物が、ウチダザリガニだという。「栃木県で初確認され、それが決め手となり、栃木県の中にも外来生物がたくさん潜んでいるのはないかと、そういうことをテーマにしてこの企画展をやろうと決めた」と語る目野さん。体長およそ15cmと、大型のウチダザリガニは、従来いたその場の生物を食べるなどの害をもたらし、「特定外来生物」の中でも要注意部類に入るという。ウチダザリガニももともとは食用として持ち込まれたそうだ。「野外に逃げ出したものが増えてしまったり、その姿形から一般の方でも飼育されたりする方がいて、そういう人の手によっていろんな場所へ拡散していった」と目野さんは話す。

 ペットとして飼っていた外来生物を飼いきれなくなったなどの理由で自然界に放ってしまった結果、生態系が壊れてしまうケースも多い。「家で飼っているペットを野外に放したりしない。生き物のことを知っていただいて、情報をいろんな人に紹介していくことで、外来生物がこれから増えていくことを少しでも減らせるのではないかと考えている」と目野さんは思いを語った。

■“外来生物シューマイ”を実食 味は「おいしい」

 外来生物に親しみをもってもらおうと、ウチダザリガニを使った変わったイベントも開かれている。ザリガニをシューマイにして食べてみようという企画だ。作り方もいたって簡単。ボイルしたザリガニの身をほじくり出し、シューマイの具の上に乗せる。それから蒸す。それで完成だ。参加者は「カニみたいな味がする」「おいしい。これは売れる。お店に出せる」とコメント。

 外来生物は現在、国外由来の動物のみで209種類いるという。さらに、2015年夏と2016年秋に愛媛県松山市の川ではミステリークレイフィッシュという本来生息しないザリガニが発見された。このザリガニの最大の特徴が、単独で繁殖できるという点だ。これは単為生殖と呼ばれるもので、雌だけで卵を産むことができるそうだ。

 なぜ、このように多くの外来生物が持ち込まれたのか。マングースはハブの駆除をするために、インドから沖縄などにまずは十数頭持ち込まれたという。しかしながらハブを退治することはなく、それ以外の動物を捕食するようになり、今では3万頭以上もの数になってしまっている。沖縄だけに生息しているような絶滅危惧種へも影響が出ており、心配されている。また、アライグマはペット用として、北アメリカから持ち込まれたのが始まりだ。飼育が難しいとして多くの人が捨て、雑食のため何でも食べてしまうという特徴を持っている。

 東京台東区の上野恩賜公園・不忍池にも外来生物は生息する。ミシシッピアカミミという正式名称を持つ巨大なカメだ。もともとは縁日で売られていたミドリガメが大型化したもので、ハスを食べてしまうなどの被害が報告されている。

 また、東京と神奈川を隔てる多摩川にも、カメや飼っていた魚が放たれ、生態系が脅かされている。今や「タマゾン川」などとも呼ばれ、定期的にわなを仕掛け、外来生物を捕獲し、一時的に預かって新しい飼い主を探すといった活動が継続されている。

 ペットを飼うということの責任が今改めて問われている。

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Posted by jun at 2017年03月29日 14:54 in 外来生物問題

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