茨城県河内町庄布川の新利根川に、外来種のチョウザメの死骸が多数浮いているのを22日に住民が見つけた。旧小学校の空き校舎を利用しチョウザメ養殖を始めた建設会社の役員は23日、毎日新聞の取材に、衰弱した約50匹を放流したと認めた。県や竜ケ崎署によると、チョウザメの放流を規制する法令はないが、町は同日、「死にそうな魚を放流するとは、認識が甘い」と同社を口頭で厳重注意した。
チョウザメ養殖は建設会社「トキタ」(本社・下妻市)が昨年8月に町から無償で借りた同町長竿の旧町立長竿小学校(2012年4月廃校)校舎内に、水槽を設置して始めた。同社によると、経験はないが、養殖を実践する企業の指導を受け、約500匹を育てていた。将来はチョウザメの卵で高級食材のキャビアを特産として売り出す構想もあり、町も期待している。
今回の放流について同社の養殖担当役員は「調子が悪くなり、このまま死んでしまうのは可哀そうなので12月20日ごろ放した。生きてくれればいいと思った」と釈明。衰弱の原因について「(水槽の)アンモニア濃度が高くなり、ろ過装置がうまく機能していなかった」と語った。
川で死骸を目撃した40代男性は「約30匹浮いていた。外来種なのでどんな病気を持っているのか不安」と話す。担当役員によると、放流した個体に病気はないという。
新利根川は県管理の1級河川。所管の県竜ケ崎工事事務所は「事実を確認して町などと対応を協議したい」と注視。県環境政策課は「特定外来生物ではなく放流に罰則はない。企業モラルの問題だ。最後まで責任を持って面倒を見てほしい」と困惑している。
雑賀正光町長は「業者には再発防止の始末書を出してもらう」と述べた。町の監督責任については「町おこしをやっていく中で、指導していかなければならず、反省している。(町民に)心配をかけないよう、しっかり対応したい」と語った。【安味伸一】
Posted by jun at 2017年01月25日 10:57 in その他のニュース, 外来生物問題, 魚&水棲生物