特定外来生物のタイワンハブの生息域が、名護市為又を中心に本部町や今帰仁村まで広がっている。どんな所に、どれだけいるのか。沖縄県衛生環境研究所が月1回実施しているタイワンハブの密度調査に同行した。(学芸部・榮門琴音)
タイワンハブが年間で最も捕まりやすい11月。同研究所主任研究員の寺田考紀さんと臨時職員の小菅俊樹さんの車に同乗し、捕獲器40台の確認に向かった。
国道58号に近い、雑草が茂った小道。その脇に仕掛けた捕獲器のふたを寺田さんが開けると、枯れ葉に似た模様のタイワンハブが1匹、さっそくいた。
寺田さんが棒に掛けて網の袋に入れ、口をぎゅっと結ぶ。小菅さん捕獲器にネズミと餌をセットし、元に戻す。この間わずか3分。次の場所を目指す。
3台目までは1匹ずつ、4台目には2匹と連続した。こんなにいるのかと驚いていたら、「1台に7匹入っていたこともありますよ」と寺田さん。設置場所は山奥ではなく、近くに民家や福祉施設、ビニールハウスがあるような生活圏だ。
タイワンハブは台湾や中国大陸が原産だが、1970〜90年代に観光施設のショー用に持ち込まれ、そこから野生化したとみられている。密度調査は2002年に始まり、15年末までの捕獲数は1713匹に上る。
捕獲率は1台当たり月0・6匹でハブ0・11匹の6倍と圧倒的な多さ。同研究所は13年度から駆除実験を始め、市町村も捕獲を続けているが、減少の兆候はない。
捕獲器に在来種のハブはかからないのか。寺田さんが「この地域でハブはかからない」と答える。タイワンハブとハブが競合関係にあるのか、もともとハブが少なかったのか、はっきりとした理由は分かっていないという。
今帰仁村の捕獲器を開けていると、軽自動車で通りがかった住民も「ここら辺でハブは見ないね」。荷台にはタイワンハブと同じく特定外来生物のマングースの死骸が3匹。駆除して役場に持ち込む途中だった。
この日の捕獲数は22匹。ハブはやはり1匹もいなかった。後部座席でタイワンハブと一緒に揺られながら、いっぱいですねと言うと、「今日は爆発までとはいかなかったね」と寺田さんと小菅さん。過去最多は47匹だったという。
寺田さんは「餌がたくさんあって生きやすい環境ということ。かまれる被害があるので生活圏に入ったものは減らしたい」と話し、「すぐ近くにいるんですよ」と付け加えた。
[ことば] タイワンハブ 体長80〜130センチで、130〜220センチある在来のハブより一回り小さい。動きはハブより俊敏で攻撃的。ハブに比べ、同量の毒で1・2倍の毒性があるが、ハブの血清で効果がある。恩納村の一部にも定着している。
Posted by jun at 2016年11月26日 09:50 in 外来生物問題