沖縄本島で毒を持つ外来種のハブが大量に繁殖し、各自治体が対応に追われている。台湾などのタイワンハブや離島のサキシマハブで、2015年度の捕獲数は6市町村で計1076匹。前年度より167匹増えた。観光名物だったハブとマングースの「決闘ショー」などのために島外から仕入れたハブが流出した可能性が高いとみられ、関係機関は住民や観光客に注意を呼びかけている。
沖縄県衛生環境研究所などによると、沖縄本島では明治時代、在来のハブ退治のために天敵のマングースを輸入し、山野に放った。本土復帰の1972年前後からは本島各地の施設で、観光客向けに「ハブとマングースの戦い」をショーとして見せるようになった。さらにハブ酒などの商品化も始まり、安価で大量に手に入る外来ハブを仕入れるようになったという。
しかし、決闘ショーは2000年の沖縄サミット(主要国首脳会議)を前に、「生き物の虐待と受け取られる」との理由で廃止。関係者によると、その後は外来ハブが観光施設から逃げたり、捨てられたりしたとみられ、施設の周辺地域を中心に大量繁殖していった。
6市町村で統計がそろったのは14年度からだが、名護市では03年度から外来ハブの捕獲を始めており、これまでに計1402匹を捕獲。15年度は過去最高の416匹に上った。高級リゾートホテルが立ち並ぶ恩納村でも06年度以降、計2537匹を捕獲した。今年度も本島各地で、同様のペースで捕獲が進んでいる。
体長は大きいもので1メートルを超え、かまれると激痛と腫れの症状が出る。サキシマハブは毒性がタイワンハブより弱いものの、離島では死亡例もある。夏から秋にかけ、活動が活発化するという。
沖縄本島には在来のハブも多く生息しており、県衛生環境研究所によると、ハブにかまれる被害は05〜14年に計約500件発生。各自治体は駆除対策に力を入れており、外来種の発見が集中する6市町村では特に対応を急いでいる。
名護市では昨年度、ハブを駆除する専門職員2人を雇用。約200か所に設置している捕獲器周辺を中心に巡回している。糸満市では捕獲器を従来の約100個に加え、今年度中にさらに約100個増やす予定。
同研究所ハブ担当の寺田考紀・主任研究員は「わなの数を増やすなど地道な努力を重ねるしかない。観光客は草むらを極力避け、夜間に出歩く際は懐中電灯で足元を照らすなど注意してほしい」と話している。(栗山紘尚)
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Posted by jun at 2016年08月17日 11:16 in 外来生物問題