佐賀県内外の釣り愛好家が訪れる北山ダム(佐賀市)で、ブラックバスが激減している。生態系への影響が問題視される外来種だが、北山ダムは県内で唯一キャッチ・アンド・リリースが認められている名所。ダムの防災工事で冬場に水位が下がったことが影響し、稚魚が生き残れなかったとみられ、バス釣りファンや客足が遠のいた周辺の貸しボート店は困惑している。
「1日に30匹を釣り上げていた腕のいい人が、今では1匹釣れるかどうか。売り上げも半減したよ」。5月下旬、北山ダムの近くで貸しボート店を営む男性はため息をついた。例年なら平日でもにぎわうバス釣りのシーズン。ボートはすべて湖畔に並んだままだ。
北山ダムは、初心者でもブラックバスの釣果を挙げられる人気スポットだった。県の条例では、2006年からブラックバスの移動や再放流が規制されているが、ここはそれ以前から九州有数のバス釣りの名所。釣りファンや関連業者の声を受け、県もキャッチ・アンド・リリースを認めている。周辺には4軒の貸しボート店があり、バス目当ての客でにぎわってきた。
国が建設した北山ダムは1957年に完成し、佐賀市や小城市の農地に送水している。ダムの底には建設時の想定を上回る土砂が堆積し、排水門の開閉に影響が及ぶ恐れが出てきた。そのため2011年から農閑期に水位を下げ、土砂のしゅんせつや、のり面の保護工事が実施されている。
ボート店の男性が異変に気付いたのは14年。バスがほとんど釣れなくなり、ワカサギやヤマメが増えた。
バスのサイズも変化し、3匹の総重量を競う大会で12年は1600グラムだったが、15年は3500グラムに倍増した。男性は「個体数が減ったことで餌を狙うライバルも減り、太ったのだろう。このサイズを狙う常連にはいいけれど、初心者が釣るのは難しい」と話す。
淡水魚に詳しい専門家は「冬場にダムの水位が低くなり、稚魚が潜り込んだ泥が空気にさらされたため、冬を越せなかったのではないか」と指摘している。
貸しボート店は11〜2月のワカサギ釣りをPRするなど苦肉の策を取っている。
Posted by jun at 2016年06月07日 10:40 in 外来生物問題, 自然環境関連