魚類学者でタレントの「さかなクン」にも劣らない、魚への愛情と情熱を持つ高校生が福岡県久留米市にいる。久留米高3年の小宮春平君(17)。釣りが大好きで、珍しい魚に会うためなら海外へも飛ぶ。国内各地の河川に生息する外来種の生態系への影響を調べる活動にも取り組んでおり、「外来種が引き起こす問題を伝える研究者になりたい」と“魚博士”を目指して大学受験勉強に励んでいる。
物心がついた頃から大の魚好き。「もっと近くで魚を見たい」と小学3年のとき、父親に頼んで釣りざおを買ってもらった。自宅に近い筑後川での釣りを手始めに、徐々に県外へとフィールドを広げていった。
腕を上げるにつれて興味が湧いたのが、ブラックバスやソウギョといった外来種。在来種とは違う引きの強さ、1メートルを超えることもある大きさと珍しさが魅力だった。狙いを外来種に定め、中学3年からブログで釣果を記録してきた。珍しい魚を釣るために、小遣いをためて1人で中国やベトナムに行ったこともある。
「魚の面白さと、取り巻く環境問題伝えたい」
国内各地で釣り上げた外来種について調べると、環境問題が気になり始めた。日本の河川に多様な外来種が入り込んでいる一方、減少していく在来種。これまでブログで記録してきた釣果のデータなどを基に、筑後川防災施設「くるめウス」の河川愛護活動報告会や高校の文化祭などで、外来種の生態系への影響などについて報告してきた。
河川の環境問題にとどまらず、現在は有明海の問題にも関心は広がり、九州大教授などが行う干潟調査に参加。独自に有明海周辺にのみ生息する淡水魚ヤマノカミの調査も行っている。
こうした積極的な活動は昨年12月、一つの実を結んだ。国や民間団体などでつくる「国連生物多様性の10年日本委員会」が主催した本年度の「生物多様性アクション大賞」で、生物を観察し自然の素晴らしさを伝える「つたえよう」部門の入賞に選ばれた。「もっと多くの人に魚の面白さと、取り巻く環境問題を伝えていきたい」。魚への情熱が高まるばかりの17歳は目を輝かせている。