和歌山県田辺市の旧田辺市地域で農作物被害を出している特定外来生物アライグマの捕獲数が、9月から急増している。年間の総数も過去最多の234匹(27日現在)を記録、その半数以上を9〜12月が占める。専門家は、生息数が増えたのではなく、山の餌事情が悪いためと推測している。その一因としてカシノナガキクイムシによる「ナラ枯れ」がドングリ不足を引き起こしている可能があると指摘している。
アライグマの生態などを調査している田辺市稲成町、ふるさと自然公園センターの鈴木和男さんによると、今年の捕獲数は8月まで例年並みで推移してきたが、9月に例年より多い21匹が捕獲された。10月には30匹、11月には36匹とそれぞれ月の過去最多を記録した。12月も27日までに38匹となり、すでに11月を上回っている。
アライグマは秋にドングリやアケビの実なども食べている。そうした自然の食物がナラ枯れなどの影響で、例年に比べて少なくなっているのではないかと鈴木さんは推測している。
それを裏付けるように、今年はナラ枯れによってシイやカシ、コナラなどブナ科の樹木の枯死が目立つ。県森林整備課によると、統計調査を始めた1999年度以降最大規模の被害になっている。
県林業試験場=上富田町=によると、種類にもよるが、カシやコナラなどのドングリは9月からでき始める。ナラ枯れは7月中旬ごろから目立ち始め、8〜9月上旬にピークを迎えるため、被害木にはドングリができないという。
同試験場は「これまで被害の中心地がすさみ町や白浜町だったが、今年は北上して民家の多い旧田辺市や上富田町に移ってきているようだ」と話している。
田辺市の有害鳥獣の捕獲数から見ても、今年は山のドングリを餌にするイノシシとシカが、前年度同期比でそれぞれ1・8倍、1・6倍に膨れ上がっている。
Posted by jun at 2015年12月29日 11:28 in 外来生物問題