日本の固有種でアユに姿が似ていることから人気のあるドジョウの仲間、アユモドキを、国際自然保護連合(IUCN)が絶滅危惧種に指定する見通しになったことが12日、関係者への取材で分かった。アユモドキの保全はスタジアム建設に向けた大きなハードルとなっており、京都府と亀岡市が対応に苦慮しているのが現状だ。市はスタジアム建設予定地に隣接する現在の生息地周辺にアユモドキの「共生ゾーン」を設け、魚が繁殖・成育できる環境の整備を図るとしている。
希少魚の保護に向け、府と市は研究者などで構成する環境保全専門家会議を設置している。市はこれまでに生息河川での推定個体数調査や、建設予定地での繁殖実験を実施。得られたデータをもとに、同会議では80回余りに及ぶ検討を続けている。だが生態に未解明な部分が多く、同会議の意見を受けて府はスタジアム完成年度を2016年度から17年度に後ろ倒しにすることを決めている。
府は「アユモドキは既に国の天然記念物であり、スタジアム建設で大きな影響が出ないよう専門家会議を設けて環境保全対策を検討している」(中島勇文化スポーツ部理事)とする。
一方、長年にわたって独自に保護の取り組みを続けてきた地元住民からは、スタジアム計画に伴う環境整備でアユモドキの保護が本格的に進むことを期待する声もある。
市は「アユモドキがすでに国の天然記念物、環境省の絶滅危惧種にそれぞれ指定されていることを重く受け止めている。保全を重視した整備計画を進めていく」としている。
■アユモドキ 河川の中下流域やそこにつながる水路などにすむ日本固有種の淡水魚。ドジョウの一種だが、体色や泳ぐ姿がアユに似ていることからこの名がある。開発による生息地の破壊やペット目当ての捕獲、外来魚による捕食などが原因で数が急減。現在では京都府と岡山県内の一部に生息するだけになり、京都府内の数の減少が特に著しいとされる