2015年11月12日

アライグマ“包囲網”…食害・家に侵入 兵庫のNPO法人、150頭捕獲

 在来の生態系に影響を及ぼすおそれのある「特定外来生物」に指定されているアライグマが全国で急増し、農作物に被害を与えている。平成25年度には農作物被害が年間計約3億4千万円に上った。繁殖力の強さから生息域が拡大しているが、警戒心が強いため捕まえるのは難しい。そんな中、兵庫県篠山市のアライグマ捕獲専門のNPO法人「大山捕獲隊」が実績を挙げている。過去5年間で約150頭を捕獲し、鳥取県全体での捕獲数に匹敵する年もあった。理事長の西牧正美さん(66)は「地域の協力が実績につながっている」と力を込める。

 10月19日、同市の民家の庭で、大山捕獲隊のメンバーが4日前に設置したわなに雌のアライグマ(体重5・4キロ)がかかった。自宅に侵入し、壁が足跡で汚れるなどの痕跡に悩まされていた住民が同隊に対策を依頼していた。

 「住民がアライグマに餌づけをしてくれたので、効果的にわなを仕掛けることができた」と西牧さんは説明する。

 環境省によると、国内で野生のアライグマが確認されるようになったのは昭和30年代。農作物が食べられるほか、サンショウウオなど日本固有の生物が食べられたり、住宅や神社など建物が破損されたりするなどの被害が報告されるようになった。

 アライグマは1回に平均3〜4頭を出産するなど、繁殖力が高いため急増。捕獲数は、平成3年度に9頭だったが、24年度には約3万頭に上った。ただ、警戒心が強く、夜間に活動するため住民の目撃情報が得られにくいことなどから、捕獲するのは難しく、「個人や団体での捕獲実績は多くて年間で数頭」(篠山市の担当者)という。

 同隊は、同市大山上地区にアライグマが出没するようになったことから22年に発足し、24年に法人化した。

 アライグマの出没しやすい場所や好みの餌などを独自調査し、地区内にわなを仕掛けた。その後、地域住民に屋根裏などに住みついたアライグマの動画を見せるなどして、被害の実態や捕獲の必要性を説明。わなを設置した場所を記した地図を配布して見回りを依頼したり、出没場所を知らせてもらったりするなど協力も要請した。この結果、22年10月からこれまでに151頭のアライグマを捕獲した。25年度には41頭を捕まえ、実績は近隣の鳥取県の45頭に匹敵するという。

 この取り組みに、アライグマの生態に詳しい兵庫県森林動物研究センター(同県丹波市)の畑一志森林動物専門員は、「地域全体で計画的に取り組めば活動が長続きし、実績が上がることを証明している」と話している。

+Yahoo!ニュース-国内-産経新聞

Posted by jun at 2015年11月12日 10:12 in 外来生物問題

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