琵琶湖再生法が9月16日に成立したのを受け、滋賀県は国の基本方針に沿った保全再生計画を立て、国に財政支援を求めることができるようになった。ただ、琵琶湖の保全に関しては、すでに県独自の計画が定められており、新たな計画をどう作るかが課題として浮かぶ。
■どうする保全計画
琵琶湖をめぐっては、昭和47年に利水・治水を目的とした琵琶湖総合開発特別措置法が成立。湖周道路の堤防整備や琵琶湖から流れ出る瀬田川の浚渫(しゅんせつ)などさまざまな事業が進められ、同法の期限が終了した平成8年度までの25年間で、県は国から約1兆9千億円の財政支援を受けた。
県は同法失効後の平成12年、高度経済成長期に進んだ環境汚染を考慮し、湖の保全を目的とした琵琶湖総合保全整備計画(マザーレイク21計画)を策定。水質や固有種の漁獲量などといった各種の数値目標の達成に向け、さまざまな事業に取り組むことが定められている。
琵琶湖再生法でも、国や県が取り組むべき施策として、水質汚濁の防止や外来動植物の駆除などが盛り込まれており、マザーレイク21計画と重なる部分は少なくない。
琵琶湖総合開発特別措置法と異なり、事業の補助率かさ上げや予算措置が明記されているわけではなく、国との協議などによって支援の内容が決まる。その際、県は国の支援が必要な理由の説明が求められる。県は、こうした点を踏まえて計画を練る必要がある。
三日月大造知事は、同法に取り組むべき施策としてエコツーリズムの推進や湖上交通の活性化などが盛り込まれていることに触れ「マザーレイク21計画をバージョンアップさせた計画を作りたい」と述べた。
■長年の悲願かなった
琵琶湖の環境改善を図る「琵琶湖再生法」成立に地元の関係者らは歓喜に沸いた。
同法は、平成20年ごろから滋賀県選出の国会議員らが制定に取り組んできた。県にとっては、限られた財政の中で莫大(ばくだい)な費用がかかる琵琶湖の保全・再生を実行するのに、国の財政支援の拡充が必要不可欠だ。県職員は「この法律で、県が実施している施策に国の後ろ盾ができる」と期待を寄せる。
三日月大造知事は、同法の成立を受けて国会で関係先へあいさつ回りをした後、滋賀県へ戻り記者会見を開催。自身も国会議員時代に成立に向けて取り組んできた経緯があるだけに「今日は滋賀県にとって歴史的な日。長年にわたる悲願が結実し、味わい深い感動を覚えている」と満面の笑みを浮かべた。
琵琶湖や周辺河川の漁業関係者も同法の成立を歓迎する。
琵琶湖やその周辺では近年、オオバナミズキンバイやコカナダモなどの外来水草が大量繁茂し、深刻な漁業被害に悩まされてきた。琵琶湖から流れ出る瀬田川でシジミ漁を営む大津市の吉田守さん(69)は「法律の成立は、国が琵琶湖の抱える問題を重要視してくれたということ。国の後ろ盾を受けて、藻が繁茂する異常な状態を早く解決してほしい」と訴えた。
Posted by jun at 2015年09月28日 10:48 in 外来生物問題, 魚&水棲生物, 内水面行政関連