外来種のコブハクチョウが本県ですみかを拡大している。地域で餌付けされかわいがられているケースが多いが、本来日本には生息しないはずの鳥。このまま定着してしまうのだろうか。
コブハクチョウは欧州や中央アジアに生息。日本には観賞用に持ち込まれ、公園などの水辺で飼育されている。野生化は全国各地で確認されており、環境省は2004年にまとめた鳥類繁殖分布調査報告書でコブハクチョウを侵入外来種として記録した。
日本野鳥の会県支部などによると、本県では佐世保市の早岐や針尾、平戸市、北松佐々町などで野生化したコブハクチョウの目撃例が相次いだ。西海市の雪浦川流域では05年以降、大村市では12年以降、繁殖を確認。繁殖には至っていないものの、長崎市の神浦川や三重川でここ数年、つがいの抱卵が目撃されている。
長崎市神浦向町の住民によると、神浦川のつがいは「(約5キロ離れた)雪浦から飛んできたようだ」という。これが事実なら、雪浦川流域で増えたコブハクチョウが近隣へ分散し、分布を広げたことになる。
これらのルーツはどこか。西海市観光協会によると、伊佐ノ浦公園のダム湖で過去に放し飼いしていたコブハクチョウ数羽のうち、羽根を切っていないコブハクチョウがいつの間にか飛んでいったことがあるという。また、コブハクチョウを放し飼いしている佐世保市のハウステンボスでは、同市のふるさと自然の会会長、川内野善治さんが10年以上前、園外の職員駐車場の草むらで繁殖しているのを目撃したことがある。野生化のルートは複数ありそうだ。
野生化した外来種は、繁殖を繰り返せば定着する。そうなれば地域の生態系を乱す恐れがある。環境省は同報告書に「コブハクチョウはテリトリーの防衛行動が強く、テリトリー内のカイツブリ類などを攻撃し営巣を阻害する場合がある」と記す。
川内野さんは「少数の個体を地域の人がペットのようにかわいがるレベルなら目くじらを立てる必要はないと思うが、生態系を乱すほど数が増えないように、注意を継続する必要がある」と話している。
Posted by jun at 2015年05月19日 08:38 in 外来生物問題