滋賀県立琵琶湖博物館(草津市)が希少な淡水魚の保存を目指し、京都水族館(京都市下京区)や京都市動物園(左京区)と連携を強めている。同博物館で育てているアユモドキなど絶滅危惧種を譲渡し、飼育の手法なども伝授。「絶滅を防ぐ最後のとりでとして、各施設に分散しながら守りたい」とする。
京都水族館への譲渡は昨年から始まり、▽地蔵川(米原市)産のハリヨ▽桂川(南丹市)産のアユモドキ▽滋賀で絶滅し大阪に生息するニッポンバラタナゴ▽京都で絶滅したミナミトミヨに近い種のムサシトミヨ−の4種を譲った。ニッポンバラタナゴはすでに展示、ほかの3種も公開が検討されている。
2012年開館の京都水族館から、希少種の保全に力を入れるためと要望されたのがきっかけだった。琵琶湖博物館の元飼育員で、写真家を経て現在は京都水族館に勤める関慎太郎さん(42)が仲介。博物館側も、絶滅のリスクを減らすため複数施設での飼育が必要と快諾した。
市動物園には、12年にイチモンジタナゴが移された。過去に動物園近くの平安神宮の池から琵琶湖博物館が譲り受けた魚の子孫で、新年度に完成する展示コーナー「京都の森」で公開される予定。
琵琶湖博物館の松田征也学芸員(54)は「他館はライバルでもあるが、多様な種を守るという目標は同じ。種の保存には、まず地域の方に知ってもらうことが大切で、展示施設の役割は大きい」と話す。