川の水に含まれるDNAを分析し、絶滅の恐れがあるオオサンショウウオの生息域を調べることに成功したと、神戸大大学院の源利文特命助教らの研究グループが発表した。13日付の英生物学誌電子版に論文が掲載された。
特別天然記念物のオオサンショウウオは夜行性で捕獲が難しい上、見た目では外来種のチュウゴクオオサンショウウオと区別できない。在来種と外来種の交雑が問題になっているが、生息域の調査には多くの時間と労力が必要だった。
源助教らは2012年から1年間、京都府の桂川水系と鴨川水系の河川37カ所で4回ずつ、各4リットルの水を採取した。
川の水には生物のうろこや排せつ物などから溶け込んだ複数のDNAが含まれている。研究グループは特定のDNAだけを抽出する方法で、在来種と外来種のオオサンショウウオのDNAが検出される地域の分布を調べた。結果は京都市などが実際に捕獲して調べた生息域とほぼ一致し、調査の有効性が確認できた。
水の採取はペットボトルなどで簡単にでき、冷凍して運べば遠隔地の調査も可能。生息域の把握が難しい夜行性の生物や希少種などに幅広い応用が期待できるという。源助教は「専門家でなくても簡単に利用できる手法の確立を目指したい」と話している。