湿地保全を目的としたラムサール条約に登録されている中池見湿地(福井県敦賀市樫曲)で、県域準絶滅危惧(きぐ)種に指定されているトンボ「アオヤンマ」が20年ぶりに確認された。湿地を管理するNPO法人中池見ねっとは「保全の方向が間違っていないと、トンボに言ってもらえた」と喜び、20日のフォーラムで報告し、市民に湿地の価値について理解を深めてもらう考えだ。
アオヤンマは体長7センチ前後の中型のヤンマで、鮮やかな黄緑色の胴体に2本の黒筋が入っているのが特徴。北海道から九州まで広く分布するものの、福井県内の生息地は北潟湖(あわら市)や三方湖(若狭町)周辺などに限られ、県レッドデータブックでは「存続基盤が弱い」として、準絶滅危惧種に指定されている。
同湿地は本州で見られるトンボの6割以上、70種類超が確認される全国でもまれな生息地。ただアオヤンマは、ヤゴを捕食する外来種中池見湿地の大量繁殖や、湿地の開発もあって、1994年以来確認されていなかった。
今回、同湿地の観察会講師も務める日本トンボ学会員が6月上旬に確認したのを皮切りに、同NPO職員や別の講師らがオス、メス両方を確認。10月にはヤゴも見つかった。
同NPOは、市から管理委託された2010年前後から、わなを仕掛けたり、ボランティアの協力を得たりしてザリガニ駆除に力を入れてきた。
上野山雅子事務局長は「複数の場所で見つかっており、広く増えている可能性がある。ザリガニが減ったことに加え、道路設置などの湿地開発から自然が再生しつつあるのでは」と分析。自身も2匹を確認し「これまで試行錯誤で不安もあったが、保全の方向性は間違ってないとほっとした」という。
ただザリガニが減る一方で、他の外来種が増える影響も出ており、昨季見つかった県域絶滅危惧?類のカトリヤンマは今季は確認できなかった。「今後も継続し環境監視をしていく必要がある」と話した。
フォーラムは20日午後1時から敦賀市の東郷公民館であり、上野山事務局長がアオヤンマなどについて基調報告する。
Posted by jun at 2014年12月21日 13:18 in 外来生物問題