■県除去作業「例年の10倍以上の量」
滋賀県の琵琶湖で外来種の水草「コカナダモ」が大量に発生し、地元の漁業者が船を出せない状況に追い込まれている。漁獲量が半減したうえ、湖岸に悪臭を放つなど被害は深刻。県は除去に乗り出したが、「例年の10倍以上の量」(漁業者)というコカナダモのちぎれた塊が次々と湖岸へ漂着する事態に作業が追いつかず、漁業者は対応に苦慮している。
◆漁獲量半減
「シジミを取るどころか船も動かせない。最悪の事態だ」
琵琶湖から流れ出る唯一の河川、瀬田川でシジミ漁を営む瀬田町漁協組合長の吉田守さん(69)は足元の川面に目をやり、険しい表情を浮かべた。そこには、緑色をした直径10メートルほどのコカナダモの「島」がいくつも浮かんでいた。
異変が起きたのは7月中旬。琵琶湖南部の南湖で大量繁殖したコカナダモの葉がちぎれて漂流し、瀬田川に押し寄せた。船を出そうとしても水面を埋め尽くすコカナダモがスクリューに絡まり、動きが取れない状態に。出漁回数は激減し、同漁協がまとめた今年のシジミの漁獲量は9月末までで例年同時期の半分以下の約2トンにとどまる。
◆条件そろう
コカナダモは北米原産の外来種で、昭和初期に実験用の材料として米国から輸入され、国内に広がった。琵琶湖では昭和36年に野生化が確認され、特に南湖で目立つといい、毎年5月ごろに芽を出し、7月中旬に一部がちぎれて水中を漂う。その規模が「今年は爆発的に増えている」と県琵琶湖環境科学研究センターの担当者。
異常発生の理由について県琵琶湖政策課は「コカナダモが成長する梅雨時に少雨だった影響で湖内の濁りが少なく、日照時間も長かったため、生育しやすい条件がそろったのではないか」と推測する。
◆悪臭に苦情
県が平成24年度に策定した琵琶湖の水草対策計画は、南湖での水草の繁茂面積について、良好な環境だった戦前の20〜30平方キロメートル程度を目標に掲げる。だが現状はコカナダモを含めて40平方キロメートル台で推移し、目標にはほど遠い。
さらに、湖岸に漂着したコカナダモは腐敗し、悪臭を放つことから、例年数件程度という県への苦情が今年はすでに80件以上に上っている。
こうした状況を打開するため、県は7月末から漁業者と連携してコカナダモの除去作業を始めた。しかし依然、コカナダモの大量漂流は続いており、吉田さんは「漂着量は例年の10倍以上ありそう。いくら除去しても追いつかない。抜本的な解決策が必要だ」と訴えている。
Posted by jun at 2014年10月27日 15:20 in 外来生物問題