京都市伏見区で外来種のアルゼンチンアリの防除に取り組む京都府や市、地元自治会などの対策協議会が、薬剤設置と並行して実施してきた生息状況調査の結果をまとめた。生息域は大きく拡大せず個体数も減少し、官民による防除の効果がみられる一方、懸念されていた在来アリの減少も進んでいることが分かった。
南米原産のアルゼンチンアリは1993年に国内で初確認され、京都府でも2008年に同区内で見つかった。住宅内に入り込む生活被害に加え、在来種が減少するなど生物多様性への影響も不安視されている。
行政や住民が、予備調査で生息が確認された範囲を中心に防除区域を設定し、12年12月から毎月1回殺虫効果のある薬剤を道路脇などに配置している。
生息状況調査はアルゼンチンアリと、在来2種(トビイロシワアリ、アミメアリ)が対象。薬剤を置いた3週間後に砂糖水を含ませた4センチ四方の脱脂綿を170カ所前後に配置し、集まった個体の種類や数を確認してきた。
14年3月までの結果をみると、アルゼンチンアリの生息域は13年の台風18号による増水で一部拡大したが、大きな変化はなかった。捕獲数も防除前の12年11月は脱脂綿1枚平均で30匹近かったが、13年11月には数匹まで減った。一方、在来2種が確認できたのはアルゼンチンアリの生息域外が中心で、域内ではほとんど捕獲されなかった。
調査を受けて協議会は、本年度から在来種への影響を考慮し、生息が確認されていない場所で予防的に行ってきた防除を一部中止した。アルゼンチンアリが高密度で生息している区域のみ、活動が活発な11月まで薬剤の量を2倍に増やす。府保健環境研究所は「調査は従来と同じ範囲で行い、生息状況に変化がないか監視を継続していく」としている。