琵琶湖で激減している固有種のセタシジミを復活させようと、滋賀県は2014年度から、セタシジミの大幅増を図る新たな技術開発に着手する。琵琶湖に棒を立てて湖水の流れを変え、稚貝の成育を促す環境を整えるなど、漁業者が取り組みやすい手法を確立する。14年度一般会計当初予算案に事業費580万円を計上した。
県水産課と県水産試験場が取り組むのは、稚貝が生息する琵琶湖北湖に複数の棒を立てたり網を張り、湖底の水の流れを試験的に変える方法。湖底の泥を流して成育に適した砂地に戻す効果を確認するほか、京都大や独立行政法人水産工学研究所に委託し、栄養となるプランクトンの種類や量の推移、水の流れの変え方を調べる。
また、親貝の肥満度が産卵量に比例するとの研究結果を踏まえ、琵琶湖より栄養分が多く含まれる西の湖(近江八幡市)で、北湖で捕った親貝を大きく育てる。産卵前に北湖に放流し、産卵量の増大効果を調査する。
セタシジミの漁獲量は、現在の統計方法となった1954年以降では57年の6072トンがピークで、60年代から急激に減少。12年は28トンで南湖ではゼロだった。県によると、湖底の砂利採取で砂地が減った上、水草が腐って湖底に泥がたまり、セタシジミが埋もれて死んだり、泥の中のイトミミズに食べられることなどが原因という。
07年度までの10年間に、県は年間13億〜31億個の稚貝を北湖に放流するなどの増加策を取ってきたが、漁獲量は改善していない。
新たな取り組みは18年度までの5カ年で実施。県水産課は「18年の漁獲量を320トンに引き上げたい」としている。