北海道内で野生化した外来種のアライグマと在来種のエゾフクロウが、安全なすみかとして同じような樹洞(じゅどう)(木の空洞)を好み、奪い合いになる可能性があることを、小泉逸郎(いつろう)・北海道大特任助教(動物生態学)らのチームが調査で突き止めた。
外来生物が在来種の小型生物を食べてしまう被害などが各地で問題となっているが、哺乳類と鳥類のように、異なる種に属する生物同士がすみかを争う事例は報告がないという。
チームは2011年から12年にかけ、札幌市近郊の道立野幌(のっぽろ)森林公園で直径10センチ以上の樹洞341カ所を特定し、カメラで観察したり、内部に残された体毛などを調べたりした。その結果、37カ所をアライグマ、34カ所をエゾフクロウがすみかとして利用していた。このうち4カ所は、エゾフクロウが確認された翌年にアライグマがすむなど、同じ樹洞を両者が使っていた。
アライグマがエゾフクロウを追い出したかどうかは確認できなかったが、両者が好む樹洞の位置や大きさ、形などは、非常に似通っていることが分かった。地上18メートルという高い場所にある樹洞にアライグマがすんでいた例も確認しており、在来の他の鳥類とすみかが競合する可能性もあるという。
小泉さんは「本州では、アライグマなどが好む大型の樹洞が少ない。在来種がアライグマにすみかを奪われるような深刻な事態になっている可能性もあり、早急な調査が必要だ」と指摘する。成果はオランダの専門誌(電子版)に掲載された。【大場あい】
Posted by jun at 2013年12月31日 11:00 in 外来生物問題