2013年11月22日

小笠原で異変…外来ネコ捕獲、明暗分けた固有種

 世界自然遺産の東京・小笠原諸島で、絶滅が心配されている島の固有種に異変が起きている。これまで「食物連鎖」の頂点に君臨してきた、野生化したネコの捕獲が進み、アカガシラカラスバトの生息数が一気に回復。その一方で、シマホザキランの減少に歯止めがかからない。原因はネコと同じ外来種のネズミ。“天敵”が減ったことで生息地を広げる一方だが、有効な手立てもなく、専門家も頭を抱えている。

 ◆40羽→100羽

 カラスバトは2008年度に林野庁が行った調査では、小笠原諸島全体で40羽程度まで減少。一時はほとんど目にすることがなくなった。原因はカラスバトを捕食する野生のネコ。ペットとして持ち込まれた一部が野生化し、天敵がいないことから食物連鎖の頂点に立った。

 環境省や小笠原村などがネコの捕獲作戦を始めたのは05年から。山林にわなを仕掛け、捕獲したネコは船で都内に移送後、東京都獣医師会を通じて希望者に引き渡してきた。

 これまでの捕獲数は約300匹に上り、父島では野生のネコはほとんどいなくなったという。カラスバトの目撃例も増え始めており、同省関東地方環境事務所によると、街中での目撃はほとんどが幼鳥で、担当者は「父島だけで個体数は、100羽を優に超えたのでは」と推測する。

 ◆10株→6株

 ネコが減ったことで、生態系に思わぬ影響が出ている。外来種のネズミが生息域を拡大し、島固有の植物で食害が目立ち始めている。ネズミは船で運ばれる物資の中に紛れて上陸したとみられ、ネコと同様に島の生態系を脅かす存在だ。

 最も深刻なのが、絶滅危惧種のシマホザキラン。一度は絶滅したと考えられていたが、約10年前に父島中央部の山林内で10株が見つかった。環境省が網で覆って保護を続けているが、ネズミの食害などで現在は6株にまで減ってしまった。

 ネズミが入らないよう網の目を小さくしているが、そうすると今度はハチによる受粉の妨げになるという問題が生じるという。

+Yahoo!ニュース-社会-読売新聞

Posted by jun at 2013年11月22日 13:46 in 外来生物問題, 自然環境関連

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