相模原市南区の県立相模原公園の温室「サカタのタネグリーンハウス」に今秋、新たな植物9種約50株が仲間入りした。東日本大震災の影響で閉園が決まった都内の植物園からの要請で引き取った。温室責任者の菅野政夫さん(60)は「草木が根付き、立派に育つ姿を多くの市民と、譲ってくださった園の皆さんにお見せしたい」と意気込んでいる。
東南アジアの熱帯の樹林をイメージし、少なくとも400種の植物の世界が広がる約1090平方メートルの温室。新たな“仲間”が増えた室内を、菅野さんが楽しそうに説明する。
「面白い形の葉をつけているでしょう」
小判形の葉の緑がまぶしいのは、マルハチと呼ばれる樹木に巻き付けられたバニラの苗。実を発酵させたものが「バニラエッセンス」となるため、葉や茎に匂いはないが、「こんな植物なんだと知ることも楽しい」と菅野さん。
春にトランペット形の黄色い花が咲く低木ヒメアリアケカズラ、花が咲き進むにつれ紫から白に色が変わるニオイバンマツリ、高さ4メートルのナンヨウスギも。
これらを保有していたのは練馬区立「花とみどりの相談所 温室植物園」。東日本大震災を機にガラス張りの温室天井が同区の施設建築安全基本方針に触れるとして、2012年12月から休園。今春、解体方針が出され、今秋には財政上の理由からも再建断念が決まった。
同区では首都圏25の植物園に電話や手紙などで植物の受け入れを要請。手を挙げた6カ所のうち、一つが相模原公園だった。
同区みどり推進課は「外来種で自然環境に影響を与えるため、受け入れてもらえるところがなければ処分するしかなかった。(相模原公園は)園に足を運んでもくれ、ありがたかった。うちの草木をかわいがってもらえれば」と喜ぶ。
9月中旬に現地を訪ねた菅野さんは「植物を見ると丹精されていたのが分かった。手放すのを忍びないと思っている現場の皆さんの気持ちも伝わった」と振り返る。
「これまで育ててきた人の思いも引き継ぎたい」と意気込む菅野さん。今後、鉢物の植え替えを進め、温室の“仲間”入りの証しに名札も新調していく考えだ。
Posted by jun at 2013年11月12日 11:12 in 外来生物問題