小山町生土の写真愛好家海野昭彦さん(77)がこのほど、同町上野の山林で、要注意外来生物として環境省が実態把握に努めているチョウ「アカボシゴマダラ」を撮影した。今回は交尾も捉えた。同町を生息域とする証拠として注目される。
アカボシゴマダラは羽の赤色の斑紋が特徴で愛好家に人気がある。日本固有種が奄美諸島にいるが、1995年以降、国外から持ち込まれたとみられる個体が関東一帯で確認され分布を広げる。アカボシゴマダラと同様に幼虫がエノキの葉を好むオオムラサキやゴマダラなどの在来種への影響が懸念され、環境省は2011年から情報収集を始めた。北は栃木県小山市、県内では小山町と函南町で発見例があり、静岡県東部、山梨県が最西端とみられている。
写真歴40年近い海野さんは今夏、集中的にアカボシゴマダラを探し、8月中に複数回の撮影に成功した。20日にはミズナラに一緒に止まる2匹に遭遇し交尾行動を確認した。海野さんは「複数を同時に見るのは2度目。1匹がもう1匹を追う姿を見て待った」と撮影を振り返った。
環境省生物多様性センターによると、交尾の撮影は比較的珍しいという。河野円樹技術専門員は「西方面にも着実に分布が広まっている表れ。さらに西に拡大する恐れもある」と話した。