花粉の運び役を担うマルハナバチの生息分布を把握するため、東北大と山形大の研究グループが市民参加型の全国調査を始めた。携帯電話などで撮影した写真を送ってもらい、集まったデータを個体数が激減するマルハナバチの保全対策に生かす。全国規模で生物の情報を収集する取り組みは世界でも例がないという。
マルハナバチは体長2〜3センチ。丸みがあり、黄や黒、オレンジが基調のふさふさとした毛が特徴だ。国内ではトラマルハナバチなど十数種の在来種が生息し、キク科、マメ科、シソ科の植物に集まる。
寒さに強く、早春や寒冷地での受粉に重要な役割を果たしているが、日本での在来種は減少傾向にあるとみられる。農薬などによる環境変化や外来種のセイヨウオオマルハナバチが定着した影響が指摘されるが、原因はよく分かっていない。
調査では、マルハナバチ類とみられる虫を見つけた人に対し、位置情報とカメラの機能が付いた携帯電話で撮影した画像を研究グループにメール送信してもらうよう協力を呼び掛ける。
送信された写真から研究者が種類を判断し、データとして含まれる位置情報などと一緒に画像をシステムに登録。登録内容はインターネット上に公開する。調査は3年間を予定し、富士通の技術支援を受ける。
研究グループ代表で東北大大学院生命科学研究科の河田雅圭教授(進化学、生態学)は「まずは現在の分布状況などを正確に把握した上で、将来の気候変動によってマルハナバチの多様性がどう変化するのか予測につなげたい」と話す。
調査の詳細は研究グループのホームページhttp://meme.biology.tohoku.ac.jp/bumblebee/