生態系を変える恐れのある特定外来種「アレチウリ」が、富士河口湖町の河口湖畔で繁茂している。県環境科学研究所(富士吉田市)によると、09年に発生が報告され、湖畔の面積の6・2%で分布を確認。放置すると40%まで拡大する可能性があるという。町は各種団体と共に「河口湖アレチウリ一掃作戦実行委員会」を組織し、発芽期にあたる5月下旬から初の大規模な駆除に乗り出す。【小田切敏雄】
アレチウリはウリ科の1年生の大型ツル性植物。北米原産で1952年、静岡県・清水港に荷揚げされたアメリカなどからの輸入大豆に種子が混入していたといわれる。
春に発芽して夏にツルを伸ばし、秋に大型の種子を大量に残して枯れる。成長力が強く、一面を覆い尽くすように繁茂。覆われた植物は光を遮られ、成長不良、枯死に至る。天敵は見つかっておらず、従来の植生や在来種を駆逐する恐れがあり、「侵略的外来種」「特定外来生物」と呼ばれる。千曲川流域などで繁茂した長野県では大規模な駆除を行っている。
河口湖畔では、窒素やリンを吸収し、水質浄化作用があるとされるヨシが覆われる例も見られる。植物に依存する昆虫、鳥などにも影響し、生態系の破壊が心配される。同研究所・植物生態学研究室の安田泰輔研究員(38)は「鳥が種子を運ぶこともあり、湖畔への侵入ルート特定は困難。葉の形の特徴は手に水かきがついたような五角形。水辺に多いが水をかぶる場所でなく、河川敷などで繁茂する」と話す。
同室は茨城大と共同調査をし、分布図を作成した。特に多いのは北岸の大石地区の大石公園・自然生活館、東洋大学生寮の付近などのほか、河口湖大橋に隣接した国道137号沿いの河口湖漕艇場の周辺にも集中。一方、旅館・ホテル、飲食店が集まる浅川、船津地区には見られなかった。
5月25日に初の駆除作業を行い、NPO法人富士山クラブ、町観光連盟などが後援し、自治会、町内各種団体・企業、小・中学生らも参加する予定。特に分布が顕著な3カ所には各100人が作業に当たる。湖や他の植物への影響を考えて農薬は使わず、作業は根ごと抜き取る手作業が中心となる。さらに6〜8月に集中的に駆除する。
町は5月11日午前10時から町中央公民館(同町船津)で「アレチウリ公開講座」も開催する。無料。問い合わせは同町環境課(電話0555・72・3169)。3月26日朝刊