全国で急速に繁殖が広がっている特定外来生物の毒グモ「セアカゴケグモ」にかまれる被害が福岡市などで相次ぐ中、国による抗毒素血清の供給体制の整備を求める声が自治体から上がっている。
海外では死亡例もあり、症状緩和には血清投与が最も有効とされるが、国内未承認薬のため、輸入した医療機関以外では投与できないなど課題も多く、厚生労働省も供給のあり方について検討を始めた。
環境省などによると、セアカゴケグモは西日本を中心に24府県で確認されている。福岡市では昨年以降、天神でも見つかり、男女2人がかまれて入院。同市の調査では、昨年10月までに大阪などを中心に全国で約60件の被害が出ているという。
高齢者や子どもは重症化する恐れがあり、繁殖が広がっている大阪府、三重県、奈良県、大阪市、福岡市はそれぞれ早い段階で公立病院に血清を備蓄。昨年、発見が急増した香川県は同年12月に県立病院に、未発見の北九州市も「いつ見つかってもおかしくない」と同10月に市立病院に備えた。
ただ、血清は豪州でしか製造されていない未承認薬のため、医師個人が厚労省の許可を得て輸入しなければならず、薬事法では輸入者以外の医療機関への譲渡が認められていない。10本入り(10人分)が約50万円で、2年ごとに更新も必要なため、備蓄に二の足を踏む自治体も少なくない。
高知県は重症患者が出た場合、ヘリで大阪府立の備蓄病院に運び、佐賀県も隣接する福岡市の備蓄病院に搬送することにしている。
福岡市では昨年9月に女性がかまれた際、緊急措置として市立病院から譲渡を受けた民間病院の医師が血清を投与。薬事法に抵触した形となり、市は同11月、国による血清配備や輸入者以外の投与を認めるよう求める要望書を厚労省に提出した。
Posted by jun at 2013年02月22日 17:36 in 外来生物問題