2013年01月21日

タイワンリス:脅威拡大、宇土半島からの進出懸念 日本哺乳類学会、早期根絶を県に要望/熊本

 宇土半島で野生化し農作物や樹木に食害をもたらしている特定外来生物、クリハラリス(通称タイワンリス)。駆除が進み生息数は減っているものの、分布域は拡大しつつあり、九州全域に広がれば林業の被害額は800億円以上とも推計されている。在来種への影響も懸念され、日本哺乳類学会は今月7日、早期根絶を求める要望書を県などに提出した。【澤本麻里子】

 タイワンリスは飼育や販売が禁止されている特定外来生物。違反すれば、300万円以下の罰金や3年以下の懲役などの罰則がある。繁殖力が強く、天敵の少ない日本で急速に増加。九州は大分県や長崎県で生息が確認されており、長崎県五島市で累計約1億7000万円、壱岐市で同約9000万円の林業被害が出た。
 熊本では宇土半島で90年代に観光施設で飼育が始まり、その後、目撃情報が寄せられるように。特産のデコポンが食べられたり、電話線をかみ切られるなどの被害が相次いだ。現在、1000〜3000匹が生息しているとみられ、対策を怠れば2年で倍増する可能性もあるという。
 こうした事態を受け、哺乳類学会は10年、宇土半島での封じ込めなどを求める要望書を県などに提出。宇城市や宇土市、県宇城地域振興局は対策に乗り出し、これまでに5000匹以上を駆除したが、分布域は内陸の熊本市側に向かって徐々に広まっており、関係者は警戒を強めている。
 このまま事態を放置すれば、県内だけでなく九州各地の農作物や生態系に影響が及び、大きな経済的損失が生じるおそれもある。宇城、宇土両市では捕獲専門員5人が“水際”で駆除に取り組んでいるが、来年度もこの態勢を維持できるかは分からないという。そこで哺乳類学会は▽最前線でのモニタリングと捕獲▽徹底的な根絶▽捕獲専従チームの設立と予算措置−−を要望。県レベルでの監視や捕獲態勢の構築の必要性を訴えた。
 学会に所属する森林総合研究所九州支所の安田雅俊さんは「対策が効果を表しつつある今がチャンス。封じ込めと根絶に向け、捕獲態勢を確立し、分布の最前線で拡大を阻止することが重要だ」と話している。1月17日朝刊

+Yahoo!ニュース-熊本-毎日新聞

Posted by jun at 2013年01月21日 12:33 in 外来生物問題

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