山中湖観光の目玉の一つ、ドーム船によるワカサギ釣りで今月24日、小学生3人が軽い一酸化炭素中毒にかかる事故があった。船主らでつくる「山中湖ドーム船連絡協議会」や山中湖漁協など3団体は、原因とみられる石油ファンヒーターを使わないよう14業者に要請した。ドーム船が観光産業として定着する中での事故に地元のショックも大きい。暖房機器の更新には費用もかかり、業者も頭を抱えている。【小田切敏雄】
ドーム船は暖房の利いた屋形船内で、船の床に開けた穴から釣りを楽しめる。約8年前に長野・諏訪湖の方式を導入。火鉢をボートに載せて釣る昔ながらの釣り方に取って代わった。現在は山中湖で14業者、約20隻(2〜46人乗り)のドーム船が運航。午前7時に湖畔を出航、湖上で釣りを楽しみ、午後3時のチャイムで桟橋に戻る。
中毒事故は出航約30分後の24日午前7時半ごろ、沖合300メートルで発生。乗客23人のうち東京などから来ていた11〜7歳の子供が船内で不調を訴え、救急搬送された。船内に石油ファンヒーター2基を設置していたが、この日は波が高く、耐震停止機能があるヒーターの炎が何度も消え、不完全燃焼を起こしたらしい。発生直後の25日に3団体は役員らが対応を協議。26日に石油ファンヒーターは使わないよう業者に通知した。
富士五湖でも山中湖は標高982メートルと高い。26日も最低気温は午前7時に氷点下9・3度を記録。ワカサギ釣りに暖房は不可欠だ。ある業者は午前7時の出航前に、石油を使って温風を送る「ジェットヒーター」3台で室内を20度まで上げる。沖でも丸型石油ストーブを2台使うという。業者は「せっかく定着したドーム船を続けたい」と訴える。
山中湖漁協の羽田金祝組合長は「ドーム船の中毒は初めてのケース。安全の上にも安全に努める」と強調。「山中湖ドーム船連絡協議会」は14業者の暖房方法を把握し、富士五湖消防本部とも連携して改善する方針だ。床暖房や太陽光を利用した暖房など石油を使わない方式の導入も検討しているが、費用が高いなど課題も残る。12月27日朝刊