大崎市鹿島台の自然保護NPO法人「シナイモツゴ郷の会」は、仙台市青葉区でシンポジウム「水辺の自然再生−よみがえる魚たち」を開き、古里の希少魚シナイモツゴとゼニタナゴを守り増やした発足後10年間の活動を報告した。増殖技術の開発や外来食害魚ブラックバスの退治を通し、希少2魚が生息する同地区のため池を会発足時の2カ所から7カ所に増やし、ため池から流れ出る小川でも2魚の姿を見ることができるようになった、との内容で、努力と成果に全国からの参加者から拍手が寄せられた。【小原博人】
シナイモツゴは、鹿島台にあった旧品井沼にちなむコイ科の小魚。1930年代に絶滅とされたが、93年以後に2カ所のため池で再発見された。同会は、うち1カ所のため池でブラックバス密放流を確認したのを機に希少魚保護に向け行政、水産研究者、住民ら約30人で02年に設立した。
シナイモツゴが普通のプラスチック製植木鉢に最もよく産卵することを突き止め、人工繁殖技術を開発した。また、ため池で大がかりな「池干し」を行いバス退治。そこに若いシナイモツゴを放流する試みを重ねた。同じコイ科のゼニタナゴも、子供が育つ場として必要な二枚貝(タガイ)のため池への移植・放流実験に取り組み増殖に成功した。こうして2魚の生息ため池は7カ所に増えた。
大崎市立鹿島台小学校などでシナイモツゴを卵から育てる里親制度が定着したり、2魚のいるため池の水で育てた環境保全米の栽培組織ができたりと、保護活動は拡大。今後の目標は残る3カ所のため池を両魚のすみかにすることだという。
同会の二宮景喜会長は「古里の水辺の自然再生に手ごたえをつかんだ」と話した。11月13日朝刊