オーストラリア原産で有毒のセアカゴケグモが日本で生息域を拡大している。環境省によると、宮城から沖縄までの23府県で確認され、比較的早い時期に定着してしまった大阪や福岡では、かまれる被害が急増している。報告例が少なかった関東でもこれから生息域が広がりそうで、専門家は「早急に撲滅対策をとるべきだ」と警鐘を鳴らす。
昆虫情報処理研究会によると、セアカゴケグモによる被害は、国内で初めて見つかった95年以降、少なくとも計67件確認されている。このうち64件が、定着が進んだ04年以降の大阪と福岡で起きた。
環境省などによると、セアカゴケグモの体長は約1センチ。黒色で背面に赤い帯状の模様がある。毒を持つ雌にかまれると、子供や高齢者、アレルギー体質の人は、重症化して筋肉のまひや呼吸障害を引き起こすことがある。繁殖力も強く、100匹以上の卵を年に2〜3回産むという。95年以降、西日本を中心に生息域を広げ、次第に東日本でも見つかるようになった。
9月に86歳の女性が呼吸障害などで入院した福岡市では今月、町ぐるみで駆除や被害防止に努める行動計画を作った。市の担当者は「広範囲で駆除するには殺虫剤が有効だが、在来種の生態系まで破壊してしまう。地道にやっているが、生息域の拡大を食い止めるのが精いっぱい」。クモの生態に詳しい大阪市立自然史博物館の金沢至・主任学芸員は「数が増えてしまう前の早めの対策が肝要だ」と指摘する。【比嘉洋、藤野基文】
Posted by jun at 2012年11月15日 13:00 in 外来生物問題