琵琶湖を代表する魚、アユの河川遡上(そじょう)が激減し、産卵量が平年の7%と危機的レベルにとどまっていることが県の調査で分かった。来季の漁獲資源確保へ県は、産卵ふ化場の安曇川人工河川(高島市)に親魚の追加放流を初めて実施。これらが順調に成長しても漁獲は近年の600〜700トンの半分以下の300トンと想定しており、66年以来の最低水準に落ち込む可能性も懸念される。【塚原和俊】
湖のアユは8月下旬から9月にかけて川を遡上し産卵。ふ化した稚魚は琵琶湖に流れ下って成長する。しかし今年は産卵が活発化する9月半ばを過ぎても遡上が少なかった。県や水産試験場は、猛暑で河口の水温が高めに推移したため遡上が遅れたとも考えたが、水温が下がっても回復せず、今月11日現在の主要11河川の産卵量は7億粒で、平年の100億粒の7%。河口部に魚群はいるとみられるが遡上せず、異変の原因は不明という。
このままでは来季の漁獲が壊滅的となり、アユの産卵期も終わりに近づいたため、県は安曇川人工河川開設の81年以来初めての緊急追加放流を決断。養殖業者から可能な限りの親アユをかき集め、18日までに6・5トンを放流する予定で、ふ化稚魚換算13億尾に相当する。
これで、通常の人工河川放流での22・5億尾、河川自然産卵での14億尾と合わせて約50億尾、成魚で約300トン分の資源を確保できると見込む。
県内のアユ漁獲量は77年以降1000トン以上の年が多かった。05、06年は400トン前後だったが07年から600〜700トンに回復していた。過去には63年150トン、66年130トンと極端に落ち込んだ年もある。10月17日朝刊