アメリカのフロリダ州で体長5.4メートルに及ぶビルマニシキヘビが発見された。同州で見つかったヘビとしては過去最長だという。フロリダ大学の研究チームが8月13日に発表した。
しかも、安楽死させたこのニシキヘビを解剖したところ、体内に87個の卵を抱いていた。これも、フロリダ州内で発見されたビルマニシキヘビの卵の数としては過去最高だという。
フロリダ大学によると、この「モンスター」コンストリクター(獲物を絞め殺すヘビ)は、エバーグレーズ国立公園内で捕獲されたもので、いずれフロリダ自然史博物館に展示されることになる。
エバーグレーズでは東南アジア産の外来種のニシキヘビが繁殖している。その多くは飼育されていたものが自然の中に逃げ出したか、捨てられたものだ。
ビルマニシキヘビはペットとして飼われることがある。米国魚類野生生物局によると、ビルマニシキヘビは過去30年間にアメリカに輸入された約100万匹のコンストリクター9種の中の1種だ。
◆フロリダはビルマニシキヘビには理想の環境
フロリダ州で発見されたヘビの従来の最長記録は5.12メートルで、やはりビルマニシキヘビだった。アーカンソー大学の生物学者でヘビの専門家J・D・ウィルソン氏は、これまで以上に長いビルマニシキヘビが見つかったことは、ここが 「彼らにとって実に申し分のない環境条件であることを見事に示している」と話す。
ウィルソン氏によると、ビルマニシキヘビは食べ物が十分にある環境(飼育環境)で最も大きくなり、最長6メートルに達することもあるという。
今回記録を更新した個体ほど大きなビルマニシキヘビなら「フロリダ南部の自然に生息する動物はすべて食べられるはずだ」とウィルソン氏は言う。フロリダパンサーでさえ獲物になる。実際、最近行われた研究では、ビルマニシキヘビが多様な在来種の動物を食べていることが明らかになっている。中には個体数が減っている種もある。
大きい方が有利な理由として、ヘビは体が大きい方が熱を保持しやすいということもある。大型のニシキヘビは湿気の多い環境には適応しているが、彼らがどのようにして時には凍ることもあるフロリダの冬を生き延びているかという疑問は、大きな体での熱の保持で説明できるかもしれないとウィルソン氏は付け加えた。
ジョージア大学サバンナリバー生態学研究所(SREL)で市民向けプログラムの責任者を務めるホイット・ギボンズ(Whit Gibbons)名誉教授は、今回捕獲されたメスが抱いていた卵の数も、このヘビが健康な状態にあることと、ビルマニシキヘビにとりフロリダの「環境条件が理想的」であることを示していると指摘する。
◆生息域の拡大防止へ
生物学者のシェリル・ミレット(Cheryl Millett)氏は、87個の卵は「彼らが非常にうまく根付いていることの新たな証拠だ。つまり彼らはエバーグレーズで繁殖している」と話す。
ミレット氏は自然保護団体ザ・ネイチャー・コンサーバンシー(TNC)が進める官民協力プロジェクト、パイソン・パトロールを監督している。パイソン・パトロールは、外来のニシキヘビを駆逐するのではなく、鳥の繁殖地やフロリダキーズ、人が住む地域など、影響の大きな場所にヘビの生息域を広げないことに主眼をおいている。「1匹残らず駆逐できるとは考えていない。ただ、ほかの地域に広がらないようにはしたい」とミレット氏は話す。
最近では、連邦や州も法律を制定して外来種のヘビの取り引きや所有を制限するよう務めている。
しかし最終的には、母なる自然がビルマニシキヘビの運命を決めるだろうと、SRELのギボンズ氏は話す。「この種に今後何が起こるかは決してわからない。伝染病が発生するかもしれないし、獲物が十分に得られなくなるかもしれない。しかし、今後数十年でニシキヘビは自然の動物相の一部となると思う」とギボンズ氏は話している。
Christine Dell'Amore for National Geographic News
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Posted by jun at 2012年08月16日 12:59 in 外来生物問題