葛西臨海水族園(江戸川区)は、二枚貝を通じて人と東京湾のかかわりをたどる企画展「江戸前の海〜二枚貝から見た東京湾〜」を開催し、干潟の埋め立てや水質汚濁が二枚貝などの漁獲に与えた影響を詳しく紹介している。5月8日まで。
東京湾のうち、観音崎(神奈川県横須賀市)と富津岬(千葉県富津市)を結んだラインの内側のことを「東京湾内湾」という。水深は深い所でも50メートルほどで、江戸川や荒川など大きな川が流れ込むため、海水の塩分濃度は低い。河口付近は泥が積もり、遠浅で波が穏やかなのが特徴だ。
企画展では、写真や地図で現状や変遷を解説。江戸時代以前からハマグリやイワシなどの漁業やノリの養殖が盛んだった東京湾内湾は、高度経済成長期に埋め立てがピークを迎え、東京23区の約4割に相当する242平方キロが埋め立てられたという。
この埋め立てで干潟が減少。生活排水や工場排水に含まれる窒素やリンで植物プランクトンが異常に増殖する赤潮が発生することが多くなった。そのため海底近くの酸素がなくなり、貝など底生生物が死んで無生物域が出現。海底の硫化水素が海面に上昇して起きる青潮もたびたび発生し、ハマグリはほとんど見られなくなったという。
絶滅が危惧されているエドハゼ、船のバランスをとるバラスト水への混入や船体などに付着して東京湾にすみついたムラサキイガイなどの生体も展示している。
飼育展示係の斎藤祐輔さん(34)は「東京湾内湾の状態を知り、身近な海の現状と将来について考えてほしい。東京湾にも絶滅危惧種や外来種がいることを知ってもらいたい」と話している。
葛西臨海水族園の入園料は一般700円、65歳以上350円など(小学生と都内在住・在学の中学生は無料)。水曜休園(5月2日は開園)。問い合わせは同園(03・3869・5152)へ。【斉藤三奈子】〔都内版〕4月15日朝刊