京都市内でオオサンショウウオと中国産外来種の交雑が進んでいる問題で、実態調査で捕獲した個体の扱いに市が頭を悩ませている。8割が交雑種だが、国際的には希少種。捕殺の判断が難しく、飼育を委託する外部施設の受け入れに限界が見え始めている。市担当者も「どう対応したらいいのか」と困り果てている。
在来種とは別種のチュウゴクオオサンショウウオは1970年代に食用で輸入され、一部が野生化して交雑種が増えたとみられている。交雑種は繁殖力が強く、食欲も旺盛になるとみられ、在来種の消滅や生態系が乱れる恐れも出ている。
そのため、市は2011年度から調査を開始。鴨川と桂川で捕獲した約120匹のうち、105匹でDNA鑑定をした結果、交雑種が84匹を占め、中国産外来種3匹、在来種は18匹だった。
捕獲したうち29匹を京都水族館(下京区)、残りをオオサンショウウオ研究のNPO法人「ハンザキ研究所」(兵庫県朝来市)に飼育委託や譲渡をした。
市は16年度まで捕獲調査を続ける方針だが、すでに160匹近くを飼育する同研究所では「千匹程度まで収容できるが、えさ代もかかり、捕獲数が増え続ければ継続は難しい」といい、飼育施設の確保が大きな課題となっている。
専門家でつくる市の対策検討会では「在来種を守るためには、交雑種の捕殺もやむを得ない」との意見も出始めている。
しかし、外来種も中国では保護種で、交雑種を含めたオオサンショウウオ属は種の保存法で譲渡や売買が規制されている。環境省は「法的には交雑種の捕殺は可能だが、交雑種も世界的には保護する対象になっているので判断は難しい。ただ、河川への影響が大きければ法体系の見直しも検討しなければならない」としている。
□固有種消滅も
市の対策検討会委員長、松井正文京都大大学院教授(動物系統分類学)の話 「このままでは特別天然記念物のオオサンショウウオが消えてしまう。在来種以外は排除しなければならないが、寿命が100年近く、体も大きい生物を飼育し続けるのは困難だ。捕殺するとしても、市民に現状を理解してもらう必要がある」