福島大(福島市)と県、環境省などは8日から、北塩原村の五色沼湖沼群で湖水と周辺環境の大規模な調査を始める。同湖沼群は青白色を基調に多様な色合いを持ち、裏磐梯を代表する観光地だが、最近では外来植物の繁茂や水質の悪化、水色の変化などが指摘されていた。本格的な調査は約25年ぶりという。
湖沼群は1888年の磐梯山噴火で長瀬川がせき止められて形成。酸性の地下水が流入し、中和される過程でアルミニウムなどを含む「アロフェン」という物質が形成され、特徴的な青色を生み出しているとされる。現在は水辺のコカナダモやヨシが増え、一部で湖水の中性化も進行。水中の物質や微生物量が変化し、色の変化を起こしているとみられる。
調査対象は毘沙門沼や赤沼、深泥沼など11湖沼。pHや水質を示すCOD(化学的酸素要求量)、大腸菌群数のほか、周辺の土地利用の変化や植生、生物の生息状況なども調べる。さらに湖水の浮遊物や堆積(たいせき)物などを採取し、成分を分析。光の波長ごとの反射率を調べて、水色の変化も解析する。
8日に関係団体で「裏磐梯の湖沼環境を考える会議」を発足し、中旬から本格的な調査を開始。調査結果の公表は来年10月末を予定している。
福島大の佐藤一男特任教授は「80年代半ば以降のデータが無く、環境が変化しているかすら正確には分からない。現状と問題点を明らかにし、今後の環境保全の基礎資料にしたい」と話した。
県内では、猪苗代湖も90年代後半から湖水の中性化と水質の悪化が進行。環境省の湖沼水質ランキングで05年度まで4年連続全国1位だったが、その後はランク外が続いている。【関雄輔】11月3日朝刊