◇調査の教諭「近年、急速に北上」
相模原市上溝の県立上溝南高校(山田和彦校長)で、北上を続けている外来種のキマダラカメムシが数多く見つかった。幼虫も生息しており、キマダラカメムシの繁殖が確認されたのは県内では初めて。【高橋和夫】
同校で初めて見つかったのは9月20日。職員室に見慣れない昆虫が飛び込んできたのに職員が気づいた。地理を教え、チョウ類の分布にも詳しい谷田和久教諭が今月17日、県立生命の星地球博物館(小田原市)学芸員で昆虫専門家の高桑正敏さんに調べてもらったところ、キマダラカメムシと判明した。
谷田教諭は18日、3年生と校庭にあるソメイヨシノの木でキマダラカメムシ探しを実施した。この結果、推定樹齢約60年の木の幹に成虫や幼虫が20〜30匹生息していることを確認。数匹を採集して1匹を標本にした。19日にも山田校長やチョウ類研究家の田口正男教頭らが校庭にあるサクラの木3本を点検したところ、いずれの木でも十数匹を確認した。
キマダラカメムシは国内に生息するカメムシ科では最大級。南方系の外来種で1775年に長崎・出島で初めて見つかったとされている。長崎市周辺から九州一円に生息が広がり、今世紀初めから中国・近畿圏まで分布が広がった。関東では08年に東京都小平市で確認された。
谷田教諭は「キマダラカメムシは近年、急速に北上を続け、チョウ類のムラサキツバメなどと同じように温暖化北上種の性格を示している。相模原市田名地区の台地は南風の風通しがよく、三浦半島からいろいろな昆虫が飛んでくるため、同じようなルートで移動してきた可能性がある」と推測している。
昆虫研究家でカメムシ科に詳しい厚木市郷土資料館学芸員の槐(えんじゅ)真史さんは「県内で多数のキマダラカメムシが見つかったという報告はこれまでにない」と説明。「初秋ごろ、遠くまで飛ぶことから自力で移動したのか、越冬のためトラックの荷台など閉鎖空間に入って移動したのか、分布経路が分からないため、必ずしも温暖化の指標となるかははっきりしていない」と話している。10月20日朝刊