兵庫県尼崎市田能の水路で7月27日午前8時30分ごろ、仕掛けたわなに、アライグマ1匹が掛かっているのを住民が発見した。同市や隣接する伊丹市では7月だけで通行人がかまれる被害が6件出ていた。通報を受け、アライグマを殺処分した同市は「断定はできないが、“犯人”の可能性がある」とする一方、「あと5匹は周辺にいるはず」と推測。子供たちが出歩く夏休み中だけに依然、警戒を強めている。
尼崎市農政課によると、今回捕まったアライグマは体長60センチのメス。7月に入ってからの“連続襲撃事件”で目撃された個体と大きさなどが近いことから、一連の“実行犯”との見方も出ている。担当者は「断定できないが、その可能性はある」と話した。
19日には30センチのオスが殺処分されたばかり。この日捕獲されたメスの子供かどうかはDNA鑑定でもしない限り断定できないというが、子育て中は母子で行動する生態とあって、親子で悲劇の結末を迎えた可能性もある。
尼崎市では今年に入って目撃情報が14件、捕獲が4件。今回捕獲したアライグマの単独犯行であれば一件落着だが、担当者は「これまでの目撃情報を総合すると、あと5匹は尼崎市周辺にいるはず」と複数犯説もにらんでいる。同市では現在、アライグマ被害が出ている市内計7か所の水路にわなを設置。乾いた即席ラーメンをえさに、捕物帳を続けている。
同市教育委員会では今月6日に、市内の80の小中学校と幼稚園の校長、園長あてに、児童の登下校時に注意を促す文書を送付した。今は夏休みに入ったが、子供たちが街で遊んだり、散歩もできない状況だ。兵庫県森林動物研究センター(同県丹波市青垣町)の担当者は「子供なら、やられた場所によっては命の危険もある」と解説。アライグマと出くわした時は「攻撃的な性格なので、刺激しないこと。何もしないことが一番で、絶対に触ったりしないこと」とアドバイスした。
同市には市民から「早くアライグマをすべて捕獲して安心させてほしい」という意見が多数寄せられている。アライグマは国内では、外来生物法に基づき、研究などの特例を除いてすべて殺処分になる。「殺すのはかわいそう。何とかならないか」という意見もあるというが、「同市周辺でアライグマの繁殖期に入ったのでは」との識者の意見もあるだけに、被害はさらに拡大する可能性も。同センターの担当者は「今の状況を考えると根絶せざるを得ないが、それも困難な状態だ」と頭を抱えている。
Posted by jun at 2011年08月02日 18:28 in 外来生物問題