2011年05月11日

世界遺産登録 ユネスコ諮問機関が勧告 小笠原、外来種の駆除が奏功

 前回、日本の推薦案件として初めて登録見送りとなった「平泉」。改めて推薦内容を練り直し、雪辱を果たした。東日本大震災で甚大な被害を受けた東北。関係者は「復興への光となってほしい」と願っている。

 「平泉の文化遺産」は中尊寺や毛越(もうつう)寺などで構成される。前回は9つの構成資産だったが、勧告で「浄土思想と個々の構成資産との関係が不明確」と指摘された。

 今回、地元自治体からの反発はあったものの、構成資産から岩手県奥州市と同県一関市の遺跡などを除外し、6つに絞り込んだ。文化財と自然環境が有機的に結び付いた「文化的景観」とした当初の意義付けも改めた。寺や庭園によって浄土思想を具現化したという平泉の特異性に絞ったことが奏功した。

 ◆関連性弱さ指摘

 登録勧告を受け、岩手県平泉町の菅原正義町長は「大きな山をひとつ越えた。『復興の光を平泉から』との思いで登録の日を迎えたい」と笑顔を見せた。

 ただ、今回のイコモスの評価でも「柳之御所遺跡」を構成資産から除外することが条件になった。同遺跡は「遺産の中の重要な要素」(文化庁)であるはずが、イコモスは浄土思想との直接的な関連性の弱さを指摘。6月の正式登録を前に“宿題”が残された。

 一方の小笠原諸島。登録への最大の課題は外来種対策だった。

 島内では、北米原産のトカゲ、グリーンアノールが小笠原固有の昆虫類などを食べたり、ノネコやノヤギが生態系に大きな被害を与えていたが、平成19年1月に世界遺産の暫定リストを提出して以降、外来種の駆除を本格化した。

 ◆固有植物が回復

 貴重な植物をノヤギの食害から守るために、防除柵を設置するなどした結果、南島などではオガサワラアザミなど固有植物が回復。希少な海鳥を食べてしまうノネコについては、捕獲を進める一方、飼い主捜しにも取り組んだ。

 20年には、希少な昆虫のすむ母島内に保護区を作り、グリーンアノールの侵入を防ぐために防除フェンスを設置した。

 環境省の担当者は「外来種駆除の努力が認められた」と対策が一定の評価を受けたとしたが、IUCNの評価は「外来種の影響が諸島内の多くの地域で見られる」と指摘。今後も継続的な取り組みが求められている。

Yahoo!ニュース-社会-産経新聞

Posted by jun at 2011年05月11日 15:02 in 外来生物問題

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