住民生活や在来生物への影響を食い止めようと、鎌倉市を含む三浦半島4市1町で昨年初めて実施した外来生物・タイワンリスの一斉捕獲。「ある程度の成果は上がったが、拡大を止められていない」(県)と今年も餌の少ない冬場に行った。生息域は周辺の横浜市や藤沢市にも広がっているとみられ、息の長い取り組みになりそうだ。
タイワンリスは台湾が原産地。しっぽまでの長さが40センチ前後あり、主に種子や果実を好むが昆虫なども食べる。日本では輸入されて飼育されていたものが逃げ出したり、捨てられたりして野生化したといわれている。同じ外来生物のアライグマとともに生態系への影響が問題となっている。
2005年施行の外来生物法で特定外来生物に指定され、地方自治体が同法に基づく防除実施計画を策定すれば捕獲できるようになった。三浦半島では09年4月までに4市1町すべてでタイワンリスの防除実施計画が策定された。
鎌倉市から生息域が広がった三浦半島。08年度は果実や樹木を食い荒らされたり、家屋や物品をかじられたりする生活被害が667件と、3年前の4・2倍に急増した。
拡大する被害を食い止めようと、県横須賀三浦地域県政総合センターがまとめ役を務め、10年1月から2月にかけて4市1町で一斉捕獲に乗り出した。県は実施する市町に対し、経費の半額を補助する形で支援した。
その結果、一斉捕獲時期を含む同年1月から3月までの09年度第4四半期は前年同期の1・6倍にあたる1433匹を捕獲。09年度全体でも前年度の1・2倍の2531匹だった。
しかし、生活被害は08年度の2・1倍に増え、深刻化するばかり。当初予定していなかった10年度もことし1月から3月までの間に一斉捕獲を実施した。結果は集計中だが、被害が目立つ横須賀市は2カ月間で652匹を捕獲。2月までの累計でも前年1年間より5割近く増えている。
タイワンリスの生息数は分かっていない。同センターの担当者は一斉捕獲の結果について「ある程度の効果はあったが、減少しているとは断定できない」と慎重。今後も一斉捕獲を継続する方針という。
関係者が警戒しているのは、生息域が三浦半島周辺の横浜市南部や藤沢市域まで拡大していることだ。横須賀市でも横浜市側の北部で被害が多いという。
三浦半島で減らしても、また周辺から入ってくることが考えられる。「今後は一斉捕獲の継続とともに、周辺自治体との連携が課題になる」と担当者は話している。
Posted by jun at 2011年04月04日 16:54 in 外来生物問題