◇除草委託より格安
須賀川市の阿武隈川浜尾遊水地に増殖する外来種の雑草駆除に、水位を上げて根を腐らせる「水攻め」が効果を上げている。同地を管理する福島河川国道事務所郡山出張所が昨年度から試行。今年度も規模を拡大して行っている。業者に除草を委託するより格安で済むため、同出張所は「今後数年かけてノウハウを確立したい」と話している。
同市中心部に近い浜尾遊水地は堤防で囲まれた約60ヘクタール。98年の水害後に整備され、04年に完成した。増水時に一時的に水をため込み、下流での洪水を防ぐ。
完成直後はススキやアシが生える水辺ならではの景色が広がっていた。しかし、ここ数年は外来種の多年草「セイタカアワダチソウ」が異常に繁殖していた。同種は秋に黄色い花を付け、草丈は2メートルにも達する。繁殖力が強く在来種の生態系を崩すため、付近住民からも「景観が悪くなった」などの苦情が寄せられていた。雑草は洪水時に水門を詰まらせる原因にもなる。
郡山出張所は対策として、乾燥地で繁殖する同種の性質を逆手に取り、遊水地を冠水させて芽の成長を抑えたり、根を腐らせる駆除を計画。治水上問題のない渇水期の冬に、水の出口を土のうでふさぎ、遊水地内の一部を水浸しにした。
昨年は1〜3月の78日間で実施。農業排水や雨水で全体面積の1割を冠水させ、水深は深い場所で1メートルに達した。継続調査の結果、冠水地点での同種の草丈は前年同期の乾いた状態に比べて約1〜2割低く、生え方もまばらだったという。
郡山出張所によると、遊水地内を年2回除草する委託費は3000万円だが土のうだけで済む「水攻め」は多くて数十万円という。
今年度は昨年12月から同様に行い、5月まで実施予定。有効な時期や水深を研究し、今後の駆除に生かす方針だ。この時期に「水攻め」で遊水地や調整池の雑草を駆除するのは全国的に珍しいという。
国の河川管理費は昭和時代から漸増傾向を続けてきた。しかし、政権交代後の公共事業費削減で、今年度は前年度比約130億円減の942億円にとどまった。来年度予算案では微増の964億円となっているが、今後も大幅増は見込めない。全国でも節約型の河川管理方法が相次いで提案されており、同地での取り組みは注目を集めそうだ。【種市房子】3月11日朝刊