霞ケ浦の水質浄化のため導水事業の代替案としてNPO「アサザ基金」(牛久市)などが常陸川水門(神栖市)の柔軟な開閉を求めている問題で、橋本昌知事は8日の県議会本会議で「(開閉は)大きな問題があると認識している」と慎重姿勢を示した。導水事業の見直し作業を進めている菅政権は、代替案に対し立場を留保しているが、同事業を推進する県として初めて否定的見解を示した。
民主党の青山大人県議の一般質問に答えた。同水門を巡っては、洪水の逆流防止と塩害軽減を目的に、常陸利根川と利根川合流付近に63年に建設されたが、実際に塩害が発生したことなどから75年に閉鎖された。霞ケ浦の水質浄化のため、国と県が84年から霞ケ浦導水事業に着手したが、アユやウナギの遡上(そじょう)に影響を及ぼすとして、流域漁協は建設中止を求めている。同NPOは、導水事業の代替案となる水門の柔軟開閉を国に求めている。
橋本知事は「最終的には管理者である国が判断するものだと考えている」としながらも、同水門の約15キロ北で取水した工業用水の塩分が近年、増加傾向にあり、水門を開けばさらに塩水が流入して、工業用水に適さなくなる恐れがあると説明。水門の柔軟開閉や水質浄化対策を協議する有識者による協議会の設置を求める青山氏の提案に対し「慎重に対応せざるを得ない」と否定的な考えを示した。【大久保陽一】3月9日朝刊